稽古では桜花賞馬相手に優勢だったミアネーロ（手前）

［ＧⅠ秋華賞＝２０２４年１０月１３日（日曜）３歳牝、京都競馬場・芝内２０００メートル］ 　栗東に滞在中の２番ミアネーロ（林）は１２日朝、角馬場から坂路１本（４ハロン７８・５秒）の調整。ゆったりとしたペースだったが、我慢が利いて終始リラックスした走りを見せた。ひと夏を越して、心身の成長は明らか。今回は初めての栗東滞在となったが、滞在のパイオニアでもある国枝厩舎勢に手ほどきを受けて、初めての環境でもすぐに順応した。 　最終追い切りはウッドで国枝勢のステレンボッシュ、モスクロッサーとの３頭併せだったが、３番手追走から馬なりで桜花賞馬をクビ差捕らえて６ハロン８０・９―１１・３秒をマーク。ＧⅠ馬をアオる抜群の動きを披露した。 「もともと稽古は動く馬だけど、それでも今週は楽に動けていましたからね。栗東に来ての初日はテンションが高かったですけど、それも許容範囲でした。美浦にいるときよりも落ち着いてくれていますし、カイバ食いも変わりないですね」と田中助手。国枝厩舎のサポートもあって、万全の状態で送り出せると自信をのぞかせた。 　オークスはテンションが上がり過ぎて１４着と惨敗。前走・紫苑Ｓはしっかりと対策を施して巻き返しに成功した。今回も前回と同様、馬場入りは後から出してダクでおろし、パシファイアーはゲート裏で外してジョッキーの騎乗もギリギリまで待つ作戦。同じルーティンで落ち着いてさえ臨めれば、ＧⅠにも手が届きそうだ。 「当日のパドックはおとなしいほうじゃないけど、毛ヅヤが良くて（調教で）攻めた結果、馬体も細くなっていないので多少は実になった感じもあります。内枠を引きましたが、前走でもジョッキーが内をうまくさばいてくれましたし、今回もうまく外へ出せればと思います。競馬場が近いので輸送減りもないと思うし、栗東に滞在して良かった」と田中助手は短期間でも〝栗東滞在効果〟を実感している。 　その一方で「過剰人気のような気はしますが…」と高い支持率に困惑しているが、稽古で見せた脚力を信じているファンが多い証拠。課題のメンタルが安定したことで、持っている能力を発揮できるようになったのは大きい。チェルヴィニア、ステレンボッシュ、クイーンズウォークといった実績馬を、ＧⅠの舞台でなで斬るシーンは十分にありそうだ。