センバツ2022 市和歌山、チーム力向上へ鍛錬 「全員、覚悟持ってやる」 きょう初戦 /和歌山
一球、ワンプレーにこだわって――。センバツで23日、花巻東(岩手)との初戦を迎える市和歌山は、ベンチ入りメンバー18人全員がミスなく連続で成功するまで終わらないバント練習など、プレッシャーのかかる実戦の緊張感を意識した鍛錬を積み重ねてきた。 ある日の練習中、半田真一監督(41)が例に挙げたのは、2019年センバツの呉(広島)との開幕試合だった。「うちが1点リードの九回の守備。(1死三塁から)相手はきっちりスクイズを決め、同点に追いつかれた。あの場面で、お前たちは決められるか。覚悟を持ってやれ」 仮にバントでフェアゾーンに転がしても、投手前で併殺になりそうであれば失敗とみなし、最初から。なかなか連続で決まらず、3時間以上もバント練習する日もあった。 指導者も付き合った。2月28日の練習では、バントミスをするとコーチ陣も選手たちと一緒になってグラウンドを1周走るなど、ペナルティーを受けた。18人連続で成功したとき、試合で勝ったときのように皆でガッツポーズして喜び合った。松村祥吾主将(3年)は「練習のときから、試合を想定してできた。自分の結果だけでなく、全員の成功を皆が喜ぶことで、チーム力の向上につながっていると思う」と話す。 たとえ長打が魅力の打者であっても、チームでやるべきことを徹底する。一球にこだわった練習の成果を、甲子園で発揮するときが迫る。【橋本陵汰】