冬休みに大切な人と観たい!号泣必至な「家族の絆」を紡ぐ映画
子から親となったり、新たに別の家族の一員になったりと、家族の中での自分の立ち位置は、変わっていくものだ。当事者になって初めて理解できることもあれば、時代の変化により新しい家族の形が生まれることも。しかしいつの時代もそこにあるのは、愛による強い絆だ。 【写真】家族の絆を紡ぐ映画3選 一年の節目に改めて家族の絆を感じられる作品を鑑賞して心を温め、家族への愛、家族からもらった愛を再確認してみてはいかがだろう。
愛と友情を超えた絆を美しく丁寧に描く──『Our Friend/アワー・フレンド』
ジャーナリストのマットと妻で舞台女優のニコルは、幼い二人の娘を育てながら賢明に毎日を暮らしていた。しかし、ニコルが末期がんの宣告を受け、妻の介護と慣れない子育ての重圧からマットは崩壊寸前に。家族の仲もぎすぎすしてしまう。 そんなとき手を差し伸べたのが親友のデインだった。200キロ以上離れたニューオーリンズに住むデインは、住み込みで一家をサポートすることを引き受ける。
本作はマット(=マシュー・ティーグ)が2015年に発表し、「Esquire」誌に掲載され全米雑誌賞を受賞したエッセイ『友よ』を元にした実話である。 デインはマット一家と血の繋がりはなく、法律上は家族ではない。しかし、デインを家族と呼ばず誰を家族と呼べるのだろう。自分の仕事や恋人を諦めることになっても、マット一家に24時間365日身を捧げるデインは、彼らにとって家族以外の何ものでもない。生物学的な繋がりや制度に縛られない愛の絆が存在することを本作が教えてくれる。 一体なぜデインはこれほどまでにマット一家を愛していたのか。その理由は物語の後半で描かれる。SNSで近況を知ることができ、簡単に連絡が取れる時代にいる私たちは、いつでも連絡できることを言い訳にして、何でもない日に連絡するのをつい躊躇ってしまうが、気軽に「元気?」や「どうしてる?」というメッセージを投げかけるだけで人は救われることがあるのだ。 おせっかいと思わず、私はあなたのことを気にかけているよ、ということを伝えることがいかに大切かが描かれる。親友という言葉では語り尽くせない絆を感じることができる本作は、ティッシュボックスを脇において鑑賞するのがおすすめだ。
『Our Friend/アワー・フレンド』 スターチャンネルEXにて配信中 BY KANA ENDO