『ボボステ』開幕 伝説に新たな1ページを刻む
「週刊少年ジャンプ」で 2001年から2007年まで連載された澤井啓夫による伝説の不条理ギャグバトル漫画『ボボボーボ・ボーボボ』。2003年にはアニメ化され、ゲームなどのメディアミックスも展開。コミックスは累計発行部数700万部を突破しているボーボボの舞台版『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』が、2024年10月23日より開幕した。 【全ての写真】『超ハジケステージ☆ボボボーボ・ボーボボ』より 脚本・総合演出は川尻恵太(SUGARBOY)、演出を白鳥雄介(ストスパ)が手がけ、キャストは加藤将、工藤晴香、樋口裕太、大澤駿弥(ORβIT)、兎(ロングコートダディ)、小松準弥、稲荷卓央(劇団唐組)ら、ジャンルの垣根を超えた個性豊かなメンバーが出演。アニメと同じく太田真一郎がナレーションを務める。
ゲネプロレポート
劇場に足を踏み入れてまず目に入るのは、ステージ上に設置されたボーボボの顔。このセットを駆使し、鼻毛真拳やボーボボらしいギャグを舞台ならではの形で見せているのが面白い。メリハリのついたダンス、突然始まるミュージカル調の曲、半強制的に客席を巻き込むパフォーマンスなど、舞台だからできる演出・要素で原作やアニメと一味違う魅力を生み出していた。 冒頭からフルスロットルで繰り広げられる不条理ギャグ、シュールな世界に、ボーボボ役の加藤将をはじめとするキャスト陣が見事に馴染んでいるのも大きな魅力。原作やアニメのファンであれば、「あのシーンを演劇で表現するとこうなるのか」という楽しさも味わえるだろう。 また、2時間20分ほどの公演に原作第1部を全部詰め込んでおり、スピード感にも圧倒された。詳しい描写がないまま仲間が増えたりバトルがスキップされたりする一方、首領パッチ(稲荷卓央)やところ天の助(兎)のエピソード、天才的なギャグの数々はしっかり披露されるなど、絶妙なバランスでピックアップされている。 何が何だかわからないまま進んでいくが、どっしり構えつつハジケる加藤を中心に安定感のあるキャスト陣に引き込まれ、あっという間に時間が経ってしまう。 首領パッチ、ところ天の助がコミカルな表情で見せる芝居、ソフトン(小松準弥)や破天荒(大澤駿弥)の強キャラらしい貫禄やキレのあるアクション、ビュティ(工藤晴香)とヘッポコ丸(樋口裕太)の微笑ましいやり取りなど、ギャグ以外の見どころもたくさん。 本作は2024年10月23日~10月31日(木) までシアター1010にて上演。10月28日(月) の13:00、18:00公演はライブ配信が決定しており、生配信終了後は11月3日(日・祝) までディレイ配信も行われる。ボーボボの世界に入り込んだような感覚で楽しめる本作を、ぜひ劇場で体験してほしい。 取材・文:吉田沙奈