最後は「名誉永久駅長」の辞令 たま駅長社葬にファン涙
最後は「名誉永久駅長」の辞令 たま駅長社葬にファン涙 THE PAGE大阪
ネコの駅長として国内外で人気を集めた、和歌山電鉄貴志川線貴志駅(和歌山県紀の川市)の三毛猫「たま駅長」の社葬が28日午後から同駅構内でしめやかに営まれた。同駅には、たま駅長にお別れを言おうというファンが朝早くから殺到し、冥福を祈る姿が見られた。また葬儀委員長を務めた同電鉄の小嶋光信社長はあいさつで言葉を詰まらせながらも「あなたの功績というのは、日本の地方鉄道をすくったというように私は思っています」と語り、たま駅長に「名誉永久駅長を命ずる」と最後の辞令を出した。
「10周年を迎えようね」の問いに「ニャー」
同電鉄によると、たま駅長は16歳で、これを人間の年齢にしたら80歳に相当するという。社葬で小嶋光信社長は22日にたま駅長の見舞いのため病院へ訪れた時、小嶋社長に気づいたたま駅長が両手を差し出し、抱っこをねだってきたことを明かした。 また、1年たてば10周年ということで「来年は10周年を迎えようね」というと「ニャー」と明るい声で答えたため「必ず約束を守っていただけると思っていただけに大変残念に思っています」とも語った。 そして最後に、たま駅長に対して「名誉永久駅長を命ずる」という辞令を出し、参列者や集まった多くのファンの涙を誘った。
ファン「名誉永久駅長は泣けてきました」
和歌山市から来たという30代の女性は「たま駅長がいたから、この貴志川線に乗ったし、今もここに来ている。いつも見に来ては、どれだけ励まされたことか。永久駅長は泣けてきました。これからもニタマ駅長を見に来ますから」と涙をぬぐいながら話していた。
また、紀の川市内から来たという別の30代の女性は「和歌山だけじゃなく、地方鉄道を元気にしたって社長さんの話しを聞いて感動しました。みんなから愛されるだけやなくて、それだけの影響も与えてたっていうのは、市民として誇りです」などと鼻をすすりながら話していた。