熊本市電の乗務員、待遇改善へ 士気向上、安全運行につなげる狙い
市議会一般質問で、斉藤博議員(自民)に井芹和哉交通事業管理者が答えた。引き上げ時期は未定だが、早ければ来年の第1回定例会に関係条例改正を提案するとしている。 市交通局によると、市電の運転士と車掌(計約100人)は1年ごとに契約を更新する会計年度任用職員が大半で、平均年収は384万円(2023年度)にとどまる。市は来年4月に上下分離方式を導入し、乗務員を運行を担う一般財団法人の正規職員とすることで平均年収を480万円まで引き上げる予定だった。 井芹交通事業管理者は、乗務員の給料表の改定や扶養手当、住居手当の支給を検討していると説明し、「乗務員のモチベーションを維持し、安全運行の励行につなげたい」と述べた。 また、市電の運賃を来年6月、現行の一律180円から200円に値上げする方針に変更はないとした。 市電では今年1月以降、ドアを開けたままの走行など14件のトラブルが発生。大西一史市長は11月、「安全管理体制の再構築を図るため」として、上下分離方式への移行を1年程度延期すると表明した。(山下雅文)