テンス・シオ・ワラサ…聞きなれない「謎の魚」が毎月届く 累計販売2万5000食 ママ大助かりの定期便が人気
漁業が盛んな三重県紀北町にある従業員数4人の小さな会社「ディーグリーン」が今、注目を集めています。「mogcook(モグック)」というブランドで通信販売している離乳食用の魚が、累計2万5000食を売り上げ、SNSなどで話題に。 【動画】パパママの救世主!?手作業で一つひとつ骨抜きも 捨てられたかもしれない“謎の魚”を使用した離乳食はこちら【1分5秒~】 テンス、シオなど、あまり知られていない魚の切り身ですが、利用したお母さんたちにはとても好評です。今回、そんな「mogcook(モグック)」の人気の秘密を取材しました。 ■「知名度が低くてもおいしい魚」がある 三重県いなべ市の松田那々子さんは、1歳を迎えた子どもの離乳食にモグックを利用しています。月に一度届く“謎の魚”の切り身は、シオ、ワラサ、メジナなど聞きなじみのない名前がほとんどだそうです。 魚の切り身は、つぶしてノリと一緒に煮るなどしています。子どもも魚が気に入っていて、いつも完食するのだとか。産地の分かる「子どもが食べても大丈夫な魚」であることや「骨が抜いてある」ことなどが、利用者にとって安心感に繋がっています。 (松田那々子さん) 「自分で魚をあげるのはハードルが高い。骨が入っているとか、下処理はどうするとか。(モグックは)それを全部解決してくれる。入れるだけって感じです」 モグックを展開する会社ディーグリーンは、元々、ホームページやパンフレットなどの制作が本業で、10年前に離乳食事業に参入しました。担当の立花圭さんは海がない埼玉県育ちです。 (ディーグリーン取締役・立花圭さん) 「この町に来て、衝撃的なくらい、いろいろな種類の魚がありました。この感動をいろいろな人に味わってもらいたいと思いました」 紀北町には県内有数の水揚げ量を誇る長島港があります。ディーグリーンは、地元のパートナーと協力し、離乳食で使う魚を選んで買い付けをしています。 この日も、地元のベテラン仲買人が、水揚げの状況に応じて魚を仕入れていきます。今回は、一般的なスズキよりも平べったい冬が旬のヒラスズキ、真っ赤な見た目が特徴のテンス、カンパチの幼魚のシオなどを仕入れました。これらの魚は、知名度の低さや不安定な漁獲量などから需要が少なく、時には捨てられることもあるのだとか。立花さんは「おいしい魚なので食べてほしい」との思いで、離乳食への利用を考えたそうです。