本命は上川?対抗は小渕、高市? ダークホースは…「女性総理」候補9人の″本当の実力″を徹底分析!
「女性ならではの感性や共感力も十分発揮していただきながら、仕事をしていただくことを期待したい」 【写真をみる】ダークホースはなんと……「女性総理」候補9人の素顔写真 最多タイとなる5人の女性閣僚を起用した第2次改造内閣発足時、岸田文雄首相(66)の余計な発言が波紋を呼んだ。 「5人起用したことは大きな進歩だったのに、『性差別だ』と批判を受けてしまった。つくづく国民へのアピールがヘタクソだ、ホントに……」(自民党中堅議員) 昨年末にはその改造内閣の閣僚のうち、松野博一前官房長官(61)、西村康稔前経済産業大臣(61)ら4人が裏金問題で辞任。今年に入っても、震災対応で岸田首相は存在感を示せず、支持率は過去最低を更新し続けている。政権どころか、自民党が瀕死状態だ。 「次の総理として石破茂元防衛大臣(66)や林芳正官房長官(62)らが候補に挙がっていますが、『自民党は変わった』というメッセージを打ち出すには弱い。日本初の女性総理というカードを切るくらいの覚悟が必要です」(全国紙政治部記者) 45人いる自民党の女性国会議員の中で最も総裁の座に近いのは誰なのか。今回、FRIDAYは複数の永田町関係者、および二人の女性識者に取材を敢行した。以下、有力候補たちの論評である。 「現時点で最も有力なのは、岸田派の上川陽子外務大臣(70)でしょう。法務大臣時代の’18年、オウム真理教元幹部13人の死刑執行を命じた人物です。1月7日に行われたウクライナとの外相会談やゼレンスキー大統領(45)への訪問もソツなくこなすなど、堅実な秀才型。いまだ党内で影響力を持つ菅義偉前首相(75)と信頼関係を構築できているのもプラス材料ですね。岸田首相としても、派閥の一員である上川さんに任せれば、退陣してもキングメーカーとして国政への影響力を保持し続けられる。今年秋に行われる予定の総裁選でも、岸田さんで勝つ見込みがなければ、上川さんを担ごうという流れができてきています」(政治ジャーナリスト・安積明子氏) 前回の総裁選で岸田首相に次ぐ議員票を獲得した高市早苗経済安全保障担当大臣(62)は、現時点では劣勢のようだ。政治学者の天川由記子氏が解説する。 「保守派から根強い人気があり、野心も強いのですが、最大の後ろ盾であった安倍晋三元首相が亡くなり、もう一人の後ろ盾である森喜朗元首相(86)も一線を退いている。昨年11月に開いた『日本のチカラ研究会』なる勉強会にも13人しか集まりませんでした。清和会(安倍派)のタカ派議員が高市支持に動けば総裁選出馬要件である20人の推薦人は集まるかもしれません。しかし、高市氏は’11年、当時の派閥の長である町村信孝会長に500万円のパー券ノルマがキツくて辞めたい、と話して清和会を抜け、町村氏を激怒させた過去がある。前回の総裁選では、自らを担いでくれた議員への慰労会を開かず、礼状のみで済ませた。政治は義理人情の世界ですから、彼女のようにドライだと人心が離れて行ってしまうんです」 「世襲」を存分に活かして総裁候補に名乗りを上げんとしているのが、小渕優子選挙対策委員長(50)だ。’14年に政治資金規正法違反の疑いで家宅捜索を受けた際、押収された複数のハードディスクに穴が開いていたことで「ドリル優子」という不名誉なあだ名をつけられたのは記憶に新しいが、父である故・小渕恵三元首相の地盤は固く、選挙では無類の強さを発揮している。世間の評価とは裏腹に、永田町での評判も悪くない。 「2世議員にありがちな傲慢さはなく、とにかく『育ちの良いお嬢様』というイメージ。選対委員長というポストに就けたのも、故・青木幹雄元官房長官ら恵三氏にお世話になったベテラン議員たちが『小渕さんのお嬢さんを総理にしよう』とお膳立てしてくれていたから。 ただ、本気で総理を目指すならば、所属する平成研(茂木派)を、茂木敏充幹事長(68)から引き継がなければならない。そのためには、加藤勝信元官房長官(68)らと組んで権力闘争を起こすくらい、一皮むける必要があります。ドリルの件を追及され、涙ぐんでしまうようなメンタルでは難しい。精神的にタフになる必要があります」(前出・安積氏) ◆ついに国政復帰か!? 同じ世襲の加藤鮎子女性活躍担当大臣(44)は、小渕氏にリードを許している。 「小渕氏よりも『普通の女の子』。目立った実績はなく、秘書へのパワハラなどスキャンダルも小ぶり。父である故・加藤紘一氏は第2次森内閣の倒閣運動を起こした過去があるため、党内支持者もさほど多くない」(自民党代議士秘書) 参議院に目を移そう。将来的に衆議院へ鞍替えし、総裁へ名乗りを上げることが期待されるのは、三原じゅん子参議院議員(59)だ。 「元タレントという色眼鏡で見られがちですが、周囲を巻き込んで子宮頸がんワクチンの接種勧奨再開を実現するなど、菅前首相の薫陶を受けて成果を出している。扇千景さんのような、タレント出身ながら勉強熱心な議員に成長するはずです。一方、今井絵理子氏(40)は目立った成果もなく、派手なだけ。参議院は食い詰めた芸能人の姥捨て山ではない。まだ勉強が必要です」(前出・天川氏) 上川、高市、小渕。この3人が初の女性総理筆頭候補か――。と、思いきや、意外なダークホースが現れた。小池百合子都知事(71)である。 「今年夏に都知事選を控えていますが、3選しても、2期目のオリンピックのようなセレモニーがなく、影響力をアピールしにくい。岸田降ろしが始まれば、二階俊博元幹事長(84)の有力なカードとして、志帥会の議員たちに推される可能性はあります。二階氏は2期目の都知事選で党の壁を超えて『小池支援宣言』をした人物で、二人の関係は深い。政局を読む能力に長け、選挙で実績を残してきた小池氏が総裁の座をかっさらう展開になってもおかしくない」(前出・安積氏) アメリカよりも早く、初の女性宰相が誕生するかもしれない。 『FRIDAY』2024年1月26日号より
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