沼津・アーケード名店街 今秋の解体前に27日まで内部公開 公共用歩廊を持つ歴史的防火建築
再開発に伴い、今秋にも建物の解体が始まる沼津市中心部の「アーケード名店街」で26日、解体前の最後の一般向け見学会が開かれた。来場者は、1953年に日本初の公共用歩廊を持つ防火建築として建てられた歴史的な建造物を見学し、往時や再開発後の姿に思いを巡らせた。27日午前10時~午後3時にも開催する。予約不要。
建物の端にカーブ、長屋形式の屋上… 独特の意匠を見学
見学会は地権者と町方町・通横町第一地区市街地再開発組合が主催。アーケード名店街のうち、南西側にある「第一地区」(3千平方メートル)の3階建て共同建築の一部を公開した。来場者は建物の端にカーブを付けた独特の意匠を内部から見学したり、仕切りがほとんどない長屋形式の屋上に上がったりして、思い出を語り合った。
実家が以前、同名店街で婦人服店を営んでいた同市の小川美穂子さん(57)は「のぼりがたくさん立ち、にぎやかだった昔を思い出した。新しい建物がどうなるか楽しみ」と期待した。
解体後は1階に店舗、2階以上が住居の地上10階建ての建物が2028年に建つ予定。外観の一部は現在の建物の意匠を引き継ぐ。再開発組合の水口隆太理事長は「子や孫の世代にバトンタッチすることに意味がある。新たな共同体を生む再開発にしたい」と強調した。