世界AI大会が上海で開幕 - 「AI知恵」と「グローバルガバナンス」の融合
【東方新報】数年間にわたって急速に発展してきた人工知能(AI)。その進化に伴い、グローバルガバナンスが新たなテーマとして世界人工知能大会に登場した。「2024世界人工知能大会・人工知能世界ガバナンスハイレベル会議」が7月4日に上海市で開幕した。この大会は、中国外交部、国家発展改革委員会、教育部、科学技術部、工業情報化部、国家インターネット情報弁公室、中国科学院、中国科学技術協会、および上海市政府の共催で、多くの国内外の著名なゲストがオンラインおよびオフラインで参加し、「AIの知恵」と「グローバルガバナンス」について議論した。 大会では、米投資会社ブラックストーン(Blackstone)のスティーブン・シュワルツマン(Stephen Allen Schwarzman)最高経営責任者が、コンサルティング会社のキッシンジャーアソシエイツ(Kissinger Associates)専務理事のジョシュア・クーパー・ラモ(Joshua Cooper Ramo)氏とのオンライン対話で、現代の若者がAIを活用できることを幸運だと述べた。一方で、彼は人びとにAI技術の深い影響を理解するよう呼び掛け、期待を下げ警戒心を高めるよう促した。 チューリング賞受賞者のラジ・レディ(Raj Reddy)氏は、新しい技術が機会を生むと同時に問題も引き起こすことを理解する必要があると述べ、「赤ん坊と一緒に風呂の水を捨ててしまう(価値のあるものを誤って無価値なものと一緒に捨ててしまうこと)」ことは避けたいと強調した。 同じくチューリング賞受賞者の中国科学院の姚期智(Yao Qizhi)院士は、我々が技術や社会において重要な変革が起きている時期にいると述べ、コンピュータ科学者たちがAIを制御しつつ、その破壊を防ぎたいという難しいバランスを取っていることを語った。 清華大学(Tsinghua University)人工知能国際ガバナンス研究院院長である薛瀾(Xue Lan)氏は、国際社会に大きな「知能格差」が存在し、AIが急速に発展しているが、特に発展途上国を含む多くの国がAIに触れたり利用したりすることができていないことを指摘した。 「知能格差はグローバルな発展を妨げるだけでなく、グローバルガバナンスにも大きな影響を与える。現在の国際社会では、一国が引き起こすリスクが全世界のリスクとなるため、これらの問題は各国が協力して解決する必要がある」と述べた。 上海人工知能実験室(Shanghai Artificial Inteligence Laboratory)の所長兼主任科学者である周伯文(Zhou Bowen)氏は、現在のAIの発展が不均衡であることを指摘し、業界はAIを深く理解し、安全かつ効果的にこの革命的技術を開発・利用することを目指していると述べた。また、AIの安全性はグローバルな公共福祉であり、国際社会の協力が必要であるとも述べた。 今年で第7回を迎える上海での世界人工知能大会の初日に、「人工知能グローバルガバナンス上海宣言」が正式に発表された。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。