ヘンリー王子のESPN賞受賞に反対する署名が6万人を超える 専門家は「女王の晩年を不必要に苦しめたことが影響」
スポーツ界のアカデミー賞ことESPN賞のパット・ティルマン賞を受賞することが決定したヘンリー王子。これは2001年のアメリカ連続多発テロをきっかけに入隊しアフガニスタンで戦死したNFL選手、パット・ティルマンを追悼するために作られた賞。退役軍人のコミュニティに貢献した人物に送られている。しかしティルマンの母メアリー・ティルマンは王子への授与に大反対。「もっとふさわしい人がいる」「王子のようなお金やリソースを持っていない人に送られるべきだ」と新聞「デイリーメール」に語り、注目を集めている。 【写真】エリザベス女王の、最も美しく威厳に満ちたポートレート&肖像画15
メアリーと同じように考えている人は多いよう。賞の主催者に対して王子への授与を「再考するべきだ」と訴える署名活動がスタート、すでに6万人以上の賛同が得られていることが明らかになった。新聞「インディペンデンス」が報じている。ESPN賞側はメアリーの異論に対し、ヘンリー王子が負傷した兵士のためのチャリティスポーツイベント、インビクタスを立ち上げたことは賞に値すると語っていた。同賞のこれまでの受賞者の中からも王子の受賞に賛成するコメントが出てきている。
メアリーは今年の賞が王子に授与されることを事前に知らされていなかったと語っている。賞の関係者によるとこの賞の決定に関わっているのはESPN賞の主催者とパット・ティルマン財団だけ。メアリーは関わっていない。今回だけでなくこれまでも、メアリーには受賞者の選考について報告していなかったと新聞「ニューヨークポスト」に語っている。
メアリーが受賞者の決定に関わる権限を持たないのは事実のよう。しかしある情報筋は「これまでは受賞者についてメアリーと家族に対して報告があった」と同紙に証言、発表前に知らされていたと話している。これが事実であれば賞の主催者はヘンリー王子の受賞にメアリーら遺族が異議を唱える恐れを予想していた可能性もある。
ロンドン大学でマーケティングや消費活動について研究しているポーリーン・マクララン教授は、王子の受賞に対する拒絶反応はこれまでの王子の行動が影響していると指摘。「Netflixのドキュメンタリーや王子の回顧録に関する批判は落ち着いているが、その影響は残っている」「ドキュメンタリーや回顧録が王室にダメージを与え、晩年のエリザベス女王を不必要なほど苦しめたという感覚はかなり広まった」。教授はそれが今回の反発を引き起こしたと新聞「エクスプレス」に語っている。
授賞式が行われるのは現地時間7月11日(木)。今年はメーガン妃の大親友の1人であるセリーナ・ウィリアムスが授賞式の司会を務める。王子と妃も授賞式に姿を見せると新聞「ニューヨークポスト」は報じている。現時点で王子はメアリーの批判に何もコメントしていない。授賞式で何を語るのか、ますます注目が集まっている。