【動画】高倉健さん追悼で「ブラック・レイン」などDVD人気上昇 ── 大阪ロケ地の今を訪ねる
大阪府庁「正庁の間」が剣道場に
大阪府庁もロケ地のひとつとなった。当時、取材記者としてこの様子を見ていた60代の男性は「製作サイドへの再三の申し入れで記者会見とロケ取材が実現。府庁5階『正庁の間』を剣道道場に見立て撮影してた」と当時を振り返る。 また「剣道着に身を包んだ高倉さんが、背筋を伸ばしてすくっと立っている。特有の低くささやくようなせりふ回しで、同じシーンを繰り返し練習しているようにうかがえた」と当時の様子を話す。 「報道陣は現場の隅で見ているだけで監督や出演者に質問はできなかった。だが、目の前に「健さん」がおり、記者というより、ひとりの健さんファンにとっては、それだけで十分だった」と当時を振り返った。 正庁の間は現在、耐震工事のため入ることはできない。
「佐藤のアジト」として京橋の繁華街も登場
大阪市都島区のJR京橋駅近くでも高倉さんが登場しているシーンがあった。佐藤のアジトへ行くシーンだが、そのアジトが総合レジャービル「グランシャトー」付近だった。 先日訪ねてみると、画面上でパッと確認できるのはグランシャトーと大阪環状線の車両。当時から残る居酒屋チェーン店やすし店の看板などでその場所が確認できた。バイクにまたがりヘルメットをかぶった松田優作さんもここで登場している。 このあたりの飲食店従業員に話を聞くと「私は当時を知りませんけど、もう辞めた先輩から『ものすごい人が来てなぁ』という話は何回も聞いたことがありますわ」などと話していた。
心斎橋や阿倍野も登場、映画は大阪などで上映中
心斎橋も高倉さんが訪れ、ロケに使われた。というのも、こちらは地名ではなく、昔存在した「心斎橋」という橋の一部を再利用した歩道橋のこと。ダグラスやケイト・キャプショーが橋にいて、それをそっと見守る高倉健さんのシーンが撮られている。 後に地下鉄・長堀鶴見緑地線の工事を行うためこの歩道橋は撤去。現在は、心斎橋筋の通路で橋の欄干やガス灯などが再々利用されている。 このほか、大阪市阿倍野区の阿倍野警察署の中で、高倉さんとダグラスのシーンが撮られたが、現在は建てかえられている。大阪市福島区の大阪市中央卸売市場でうどんをすするシーンや、大阪市大正区の中山製鋼所の撮影シーンなどで高倉さんの姿が確認できる。 また、高倉さんは出ていないが、大阪市淀川区の十三栄町商店街、大阪市阿倍野区のあべの筋沿いにある商店街。西成区と大正区に架かる千本松大橋、兵庫県神戸市中央区の元町付近が出てくるなど、大阪近辺の人にとっては今とは違った「懐かしい風景」を楽しめたり、当時を知らない人にとっては新鮮な風景が見られるかもしれない。 大阪ステーションシティシネマなど全国18館の劇場では28日まで同作品を上映。29日からは「幸福の黄色いハンカチ」を上映するという。大阪市浪速区の「新世界東映」では、高倉健さんらの映画を常時上映しており「追悼 高倉健さん」という掲示もされている。