Ｕ―２３日本代表・大岩剛監督

　日本サッカー協会は３日、パリ五輪に臨む男子Ｕ―２３日本代表１８人を発表した。細谷真大（２２）、藤田譲瑠チマ（２２）らがメンバー入り。３枠まで認められる２４歳以上のオーバーエージ（ＯＡ）枠は２００８年の北京五輪以来、４大会ぶりに招集ゼロ。主力として期待されたＭＦ松木玖生（２１）＝ＦＣ東京＝、ＧＫ鈴木彩艶（２１）＝シントトロイデン＝は移籍の可能性を考慮されて外れた。１９６８年メキシコ市五輪「銅」以来の表彰台へ厳しい道のりだが、大岩剛監督（５２）は「金メダルを奪う」と一枚岩で頂点を目指す。 　大岩監督は「攻守にアグレッシブなサッカー」を掲げ、前線からプレスをかけ、攻撃では後方からボールをつなぎ、支配することを求める。 　その中で１８人という狭き門の代表を選ぶ場合、必要なのがユーティリティー性。日本協会はＪクラブとの協議の上で五輪の派遣は１クラブ最大２人と制限しており、ＧＫ鈴木の招集を断念して野沢を選んだ時点で、ＦＣ東京から選べるのは荒木か松木か。インサイドハーフ（ＩＨ）が主戦場の松木に対して、同じＩＨの山本、川崎は逆三角形の中盤の底で守備力も必要なアンカーもでき、荒木は１トップをこなせる。器用さという視点で考えたポジションの兼ね合いも、選考に影響した可能性がある。 　松木が外れた中盤をまとめるのが大岩ジャパンの支柱・藤田だ。アンカーの位置で高い統率力、球際の強い守備、攻撃でも１本で流れを変える縦パスを供給できるため絶対的な存在。守備に重きを置く指揮官はＧＫ、ＤＦラインは最終予選メンバーでそろえた。攻撃では左右のウィングに海外組の斉藤、三戸というスピードとドリブルで勝負できる２枚に、佐藤、平河も含めた４人。先発、交代を含めて大きな役割が求められるだろう。（Ｕ―２３代表担当・後藤　亮太）