11月29日は「いい肉の日」も… 消費落ち込みエサ代も高騰で「和牛」がピンチ
日テレNEWS NNN
11月29日は「いい肉の日」です。実はいま、お肉の中でもちょっとお高い「和牛」がピンチだといいます。物価高で買うのをためらう人も多いため、卸値が下がり、畜産農家が困っているというのです。このピンチを打開しようと“ある取り組み”が始まりました。 ◇ 東京都台東区の「焼肉ライク上野店」を訪れました。肉を焼く音が食欲をかき立て、上質な脂が輝いていたのは、最高級・A5ランクの仙台牛です。一口、食べると… 記者 「上品な脂の甘みとジューシーな肉のうま味が、口の中に広がっていきます」 この贅沢なブランド牛が、なんと1皿ワンコインになります。 焼肉ライク・マーケティング部 佐々木月乃さん 「11月29日の『いい肉の日』から、仙台牛が50g500円で販売いたします」 「いい肉の日」に合わせ、期間限定(29日から12月2日)で和牛をお得に食べられるのです。(仙台牛単品50g500円:1人1回の利用で1皿限り『焼肉セット』または『肉単品』注文した人限定) ◇ いま、物価高の中、「和牛」にある変化が起きています。 20代夫婦 「和牛は見てスルーじゃないですけど、値段見て『あーこれだけ高いんだ』という感じですね」 “ちょっとお高い”和牛に手が出ないという声も聞かれ… 会社員(20代) 「豚肉が多い」 会社員(20代) 「私鶏肉が多いです」 農林水産省によると、1家庭あたりが牛肉に使った金額は、ことしの4月から9月は去年の同じ時期と比べて4.8%減っているといいます。 物価高騰の波で財布のひもが固くなり、牛肉よりもお手頃な鶏肉や豚肉に手を伸ばしてしまうという人もいました。 20代夫婦 「鶏肉が家計の生命線です。すき焼きを牛肉で作りたかったけれど、ケチって豚肉でごまかしちゃいました」 その結果、和牛を育てる畜産農家では… ブランド牛「かずさ和牛」育てる大川畜産 大川修一代表取締役 「今年の夏前から今にかけて(肉の卸値が)かなり下がってきた。そうすると牧場経営として厳しい状況になっているのは事実」 牛を育てる飼料代は、ピーク時ほどではないものの高止まりしています。さらに消費量が落ち込んだ影響もあり、以前に比べて卸値が下がり、苦境に立たされているといいます。 ◇ こうした状況を打破するため、JA全農は28日に和牛の消費を呼びかけるPRイベント「和牛消費喚起キャンペーン」を開催。 なかやまきんに君 「どーもー! やって参りました! なかやまきんに君です。和牛パワー」 ”救世主”として白羽の矢が立ったのは、お笑いタレントのなかやまきんに君です。 なかやまきんに君 「ボディービルの大会に出て、それまで食事を制限するんですけども、終わった後、何でも食べていいよと言われたときに、まず頭に浮かぶのが和牛」 「自分へのご褒美として和牛を食べる」という、きんに君。持ち前のギャグでその魅力をPRしました。 なかやまきんに君 「和牛をみなさんの元に届けたいんだ! ワー! あ、ワーじゃないヤー!」 和牛の畜産農家を支援するため、JA全農は「ちょっといい日に和牛を食べよう!」を合言葉に、和牛と焼肉グリルをセットで販売するなどのキャンペーンを始めています。 これから迎える年末年始に、ちょっと贅沢するのもいいかもしれません。