マクロン大統領の与党連合、総選挙で苦戦か 混迷深まるフランス政局
フランスのマクロン大統領は12日、パリで記者会見を開き、6~9日にあった欧州議会選での歴史的大敗を受けて国民議会(下院)の電撃解散に踏み切ったことについて、「国民の怒りに耳を傾けないのは無責任だ」と述べて、必要な判断だったと強調した。だが、情勢調査では与党連合の苦戦が伝えられていて、仏政界の混迷が深まっている。 【写真】2024年6月12日、パリで記者会見するフランスのマクロン大統領=AP 「衰退におびえる人々の不安に応えられなかった私に責任がある」。マクロン氏は、欧州議会選で右翼政党「国民連合(RN)」に喫した敗北について、自らの責任を認めた。一方で、「私に敗北の精神はない。最悪の事態は起こらない」と述べ、解散に伴う総選挙での勝利に向けて強気の言葉を並べた。 しかし、マクロン氏の与党連合が苦戦する見通しは強い。調査会社IFOPの12日の情勢調査では、RNの支持率は35%に上る。与党連合の支持率は2割に満たず、左翼政党や社会党でつくる左派連合にも届かない。定数577のうち、RNが過半数に近い265議席を獲得するとの調査もある。
朝日新聞社