山口線の新駅設置構想を保留、事業費が課題【山口】
山口市の伊藤和貴市長は18日、JR山口線の湯田温泉-山口駅間に設置を検討している新駅について「今のところ新駅を建てようという考えはない」と述べた。市議会6月定例会一般質問2日目の同日、大田たける議員(共産)の質問に答えた。 市は、同線の利用促進策として新駅による需要の掘り起こしと課題把握のための調査事業を実施。候補地として、両駅の間で山口情報芸術センターに近い椹野公園を想定し、新駅設置による新規利用者は1日当たり617人という予測結果が示された。建設費と運行対策設備費で総事業費は計20億6000万円を要することも明らかになった。 この調査を踏まえ中村千里都市整備部長は「新規需要を創出する一定の効果はあると評価するが、事業費が課題であり、検討を一時保留とする」と説明した。 大田議員は昨年の市議会6月定例会で、伊藤市長が新駅は次期総合計画の検討材料だと述べたことに触れ「一時保留とは中止ではないわけで、今後を危惧する」と指摘。伊藤市長は「設置については新たな需要が1000人生まれるかが一つの基準であり、その確認のため調査を行った。結果は617人で1000人には満たなかった。慎重な検討を要すると受け止め、今後のまちづくりの進展と現状を見極めて対応する。何が何でも新駅を建てたいとは考えてない」と応じた。