久保建英にシステム変更のストレスなし シリア戦は「楽しみたいより楽しませたかった」
「僕はもともと代表に選ばれた時から、『出たらやれる』と思っていました。けど、実際に言える実力もついてきたんだと思います。常に自信を持っていないと、代表には来られない。変わったのはそこだけで......」 【画像】日本代表 2026年のメンバーはこうなる! 識者が予想 シリア戦後のミックスゾーン、久保建英は自分に向かって突き出されたレコーダーの群れに向かって、淡々と話していた。 ――(自信が実力に)変わった瞬間はあったんですか? どこかの記者が聞いた。 「あれだけスペインでやっていたら、代表でやれない理由はないんで」 太々しいほどの落ち着きだった。 6月11日、広島。久保がボールを触ると、超満員のスタジアムにどよめきが起こった。 ミャンマー戦はもも裏を痛めたことで大事をとって欠場したが、シリア戦は「60分間限定」という条件つきで先発。「少しケガが怖かったけど」と言いながら、後半17分まで活発なプレーを見せた。森保ジャパンがミャンマー戦から採用した3-4-2-1というシステムの2シャドーの一角で、違和感なくプレーしていた。 3バックか4バックかというシステム論争があるが、適応力が求められるスペインでプレーする久保にとって、アジャストさせるのは造作もないことだろう。所属するレアル・ソシエダ(以下ラ・レアル)でも、昨シーズンは4-4-2の中盤ダイヤモンドの2トップの一角で、今シーズンは4-3-3の右アタッカーが主戦場だった。 <欧州4大リーグのスペイン1部のトップクラブで、2年連続ヨーロッパのカップ戦出場という成績を収める> そもそも、その価値が日本で正しく伝わっていない。日本人選手として未曾有の快挙と言えるだろう。今シーズンはチャンピオンズリーグ(CL)でイタリア強豪のインテル、ポルトガル王者のベンフィカを抑えて、ベスト16に勝ち進んだ。 抜け目のない久保は、システムのなかで自分の立ち位置を見つけ、周りを生かし、自らも生かされる術を知っている。 「コンビネーション能力がすばらしい」 ラ・レアル関係者はそう口を揃えるが、周りのレベルが高いほど、無限に選択肢が広がるのだ。