トヨタ自動車の不正問題で宮城・大衡村の工場で3車種生産停止 販売店からは憤りの声 「経済への影響は大きい」専門家
khb東日本放送
自動車の量産に必要な型式指定の認証における不正が見つかった問題で国土交通省は4日、トヨタ自動車に立ち入り検査に入りました。宮城県大衡村にあるトヨタの工場では3車種の生産が停止されています。
顧客対応に追われる販売店からは、自動車業界で相次ぐ不正に憤りの声が上がっています。 関係者によりますと、宮城県のトヨタ系列販売店は出荷停止になった3車種について、注文を受け付けない措置を取っているということです。 ある営業担当者は今回の問題発覚について「寝耳に水の話だった。お客様への対応を最優先に取り組みたい」と打ち明けました。 営業担当者たちは顧客に電話して、問題の謝罪と説明に追われているということです。 仙台市宮城野区の中古車販売店では、不正が明らかになり生産中止となったトヨタの3車種のうちカローラフィールダーを取り扱っています。 今のところ販売を中止する措置は取っていないとのことですが、購入した人から問い合わせがあった場合は、車の性能に問題は無いとの説明をするということです。 一方で、約1カ月の生産停止やトヨタ車の評判の悪化で今後の販売価格が大幅に変わる可能性もあるといいます。 若松自動車商会若松雄一社長「やっぱりということが強い。もっと時間がかかるはずが、前倒しで生産を優先してしまう。結果、こういうひずみが生まれてしまうのではないか」 ダイハツ工業やビッグモーターなどこのところ自動車業界では不正が相次いで発覚しています。 若松自動車商会若松雄一社長「早く収まってほしいということが第一。不正発覚の度に流通の金額が変わって振り回される。それが予測がつかない。ネガティブなニュースが二重にも三重にも続いている感じだ」 今回の問題で、トヨタ自動車東日本が対象車種の生産と出荷を6月いっぱい停止することを決めています。 七十七リサーチ&コンサルティングの田口庸友首席エコノミストは、生産・出荷の停止について「宮城県経済への影響は大きい」と話します。 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「2021年の輸送機械の製造品出荷額が6110億円程度となっておりますので、宮城県の製造業のシェアで12%を占めているということです。このうちの大きな部分をトヨタ自動車の生産が占めていると思いますので、(生産・出荷が)止まる影響は非常に大きいのではないかと思います」 自動車産業が集積している愛知県や静岡県などと比べると、宮城県では経済への影響は小さいとしながらも、産業の規模が大きいことからマイナスのインパクトがあると話します。 七十七リサーチ&コンサルティング田口庸友首席エコノミスト「(半導体不足からの)挽回生産をしている途上であったということもありまして、1カ月止めただけで単純に考えると1割影響が出るわけですので、これが生産のみならず販売の方にも影響は出る。産業としても地域経済としても、非常に大きなマイナスインパクトだと思います」
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