阪神・近本 鮮やか“初物”ウィック撃ち今季1号「何投げてくるか分からない投手だった」
「阪神5-2DeNA」(3日、京セラドーム大阪) 鋭いスイングから放たれた白球が一直線の軌道を描く。虎党の待つ右翼席へズドン。軽やかな足取りで阪神・近本光司外野手(29)はダイヤモンドを一周し、大歓声を全身に受けた。ベンチが、虎党が、“今年もやってくれる”と確信した瞬間だった。 【写真】失策のサトテルに「教えた自分が悪かった」苦笑いの鳥谷氏 モデルのようないで立ち 1点リードの八回だ。対戦経験のない新加入の右腕・ウィックとの対戦。「何投げてくるか分からない投手だったんで。真っすぐとカットを一緒にして、どの方向に打つかと、どのタイミングで打つかと」。直球2球でカウント1-1となり3球目、内角寄り148キロ真っすぐを完璧に捉えた。打球は失速することなくスタンドへ。貴重な追加点を奪う今季1号となった。 6年目となるシーズン。体の状態が上がるのは、これまでよりも早かった。変化が出たのは、1月の鹿児島・沖永良部島での自主トレ。例年、ロングティーでは7日目ぐらいに柵越えを放つが、今年は3日目に柵越えを記録していた。 日々のトレーニングで順調に仕上がる体。食事では、「これはおいしいです」と、栄養成分が多く、免疫力アップや疲労回復の効果もある「にんにくしょう油」を好み、たっぷりと吸収している。 打撃の状態は良好だ。先頭の四回にも左前打をマークし、打率は・316となった。もうスロースターターではない。虎の切り込み隊長は2024年も頼もしい。