西岡徳馬 「舞台出るって恥ずかしいこと」「精神構造まで見られてるんじゃないかなって」
俳優の西岡徳馬(78)が都内で9日、初自伝「未完成」(幻冬舎)の発売記念会見を開いた。 自伝執筆のオファーは10年ほど前から、同じマンション住人だった出版関係者から何度も受けていた。俳優生活半世紀を過ぎ、「自分の年表みたいな感じで作れたらいいな」と今回引き受けたという。 今年6月の終わりごろから執筆。パソコンを購入するところから始まり、文字入力は一本指でキーボードを打つスタイルで「相当時間をかけた」という。出版社スタッフも「これ(指)で書いたのスゴイ」と驚くばかりで、しかも修正はほとんどなかったとか。 勝新太郎さんら巨星たちとのエピソードなどもたくさん盛り込んだ。西岡は「僕は画面が出てくるんでねぇ、思い出の中に。その1つのシーンで、その人がああ言った、こう言ったってのを結構覚えてるんですよね」。 宣伝ポスターに使われたのは42歳のときの〝下着女装〟写真だ。1989年、故・つかこうへいさん演出の舞台「幕末純情伝」で坂本龍馬を演じた際、西岡は女性の下着姿でステージに。「〝40いくつにもなってよくこんなことやったなぁ〟と思うんですけども、まぁでも僕からすると、これでちょっとひと皮むけたかなっていうのがあって…」と本人は振り返る。 日本テレビ系「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」で8年前、吉本新喜劇・すっちーの鉄板ネタ〝乳首ドリル〟を完コピしたことと絡め、「『よくあんなことやりましたね』って(当時)言われたんですけど、考えてみたら舞台で同じ(ような)ことやってますから。それも芝居の一環だと思えばできるなと思って…」と明かした。 恥ずかしくないのか聞くと、西岡は「舞台出るって恥ずかしいことなんですよね。もしかすると僕の頭の精神構造まで見られてるんじゃないかなっていう…。俳優やってるっていうのはそういうことで、どっかで精神的なストリップやってるみたいな感じがあるんですよ」。 続けて「そういうとこがまだちょっと快感と言えば快感なんですけどね。それが癖になって『舞台3日やったらやめられない』みたいなことをよく言うんですけども…」と話し、「恥ずかしいことなんですけど、その恥ずかしいことを通り越してやるというのが面白いということですねぇ」と、西岡は俳優業のうま味を語った。
東スポWEB