【香港】NTT、イノベーションサミットを開催
NTTドコモの香港子会社、NTTコムアジアは10月30日、香港島・上環のSOHOハウスで「NTTイノベーションサミット」を開催した。今年3月に産学官が参画して発足した「NTTイノベーションアライアンスプログラム」のイベントで、交流を通じて企業やスタートアップとのコラボレーションを促進する狙い。香港企業や政府系機関、大学、日系企業などから150人以上が来場した。【菅原真央】 NTTコムアジアの平松太一・最高経営責任者(CEO)はあいさつで「このサミットは単に集まって会議をするだけでなく、われわれの技術の未来をつくるアイデアを集める場だ」と強調。基調講演では曽慶徳(スティーブン・ツァン)最高収益責任者(CRO)が、香港でスマートシティーを実現するための技術について紹介した。 香港のハンソン・ロボティクスが開発したヒト型ロボット「ソフィア」も登場。身ぶり手ぶりを交えながら約5分のスピーチを披露した。 パネルディスカッションでは人工知能(AI)や第5世代(5G)移動通信システムのプライベートネットワーク、モノのインターネット(IoT)などをテーマに、香港に拠点を置く企業や大学の専門家らが活発に意見を交わした。 このほか、スタートアップ企業10社とNTTグループによるブース展示も行われた。ヘルメットの着用・未着用をAIで瞬時に確認できるNTTドコモのソリューションなど、香港の建設現場での活用を念頭に置いたサービスを中心に紹介した。 NTTイノベーションアライアンスプログラムには香港政府系ハイテク産業団地を運営する香港科技園公司(HKSTP)と数碼港(サイバーポート)、物流業界向け研究機関の物流サプライチェーン・マルチ技術研究開発センター(LSCM)、香港応用科技研究院(ASTRI)、香港城市大学、香港理工大学、香港科技大学がパートナーとして参画している。将来的に必要とされるソリューションを香港の企業や大学などが「協創」し、市場へ投入することを目指している。 NTTコムアジアの担当者は「プログラムに参加してくれるメンバー企業をもっと集めたい。プログラムを通じて大学、企業やスタートアップがコラボし、NTTの技術などを組み合わせて新たなサービスを生み出したい」とコメント。来年3月末までに第1弾のサービスを形にすることを目標に掲げた。