『モネ 睡蓮のとき』国立西洋美術館で 過去最大規模となる20点以上の「睡蓮」が集結!
1874年にパリで開かれた第1回印象派展から150年の記念の年となる2024年。印象派を代表する画家のひとり、クロード・モネ(1840-1926)の晩年の制作に焦点をあてた企画展が、東京・上野の国立西洋美術館で、10月5日(土)から2025年2月11日(火・祝)まで開催される。世界最大級のモネ・ コレクションを誇るパリのマルモッタン・モネ美術館の協力を得た大規模な展覧会だ。 【全ての画像】クロード・モネ《睡蓮、夕暮れの効果》ほか(全20枚) 一瞬の光をとらえる鋭敏な眼によって、自然の移ろいを画布にとどめ続けたモネが、セーヌ川支流の小村ジヴェルニーに居を定めたのは40代のこと。1890年、50歳の年には、借地だったジヴェルニーの土地を買い取り、自邸の庭造りに打ち込み始めた。この頃から、異なる時間や天候のもとで同じ風景を描く「連作」に取り組んだモネは、やがて自らが丹精込めて造った庭の主題、とりわけ睡蓮の花咲く池を描くことに集中し、睡蓮池の巨大なカンヴァスで部屋の壁面を覆いつくす「大装飾画」の構想へと至る。晩年のモネは、最愛の妻と息子の病死、第一次世界大戦、白内障による失明の危機など多くの困難に直面しつつも、自身の最期のときに至るまで、睡蓮の池と水面の反映をとらえるこの大装飾画の構想に打ち込むことになったのだった。 同展は、その大装飾画のためにモネが試行錯誤を重ねた過程で生み出された〈睡蓮〉の展示を中核とするもの。最初期の作例から最晩年の作例まで、睡蓮を主題とした作品は20点以上に及ぶ。特筆すべきは、マルモッタン・モネ美術館から、日本初公開の重要作7点を含む、約50点の厳選された作品が来日すること。これに国内の所蔵作品も加えた同展は、日本において〈睡蓮〉が過去最大規模で集う貴重な機会となる。 大きな見どころは、睡蓮の池の周囲の情景や睡蓮そのものを描いた作品から、水面とその水面に映り込む周囲の木々や空や光の反映に焦点をあてた作品まで、モネ晩年の絵画がより抽象的で内的なイメージへと変容していくさまが見てとれること。展示のクライマックスでは、 2メートルを超える大画面の〈睡蓮〉に囲まれた空間で、モネが構想した大装飾画の世界に没入感をもって体験することができる。光の画家モネがその長い道のりの果てにたどり着いた境地を明らかにする究極のモネ展を、ぜひ堪能したい。 <開催概要> 『モネ 睡蓮のとき』 会期:2024年10月5日(土)~2025年2月11日(火・祝) 会場:国立西洋美術館