「進路決定に活かしたい」県が高校生に木材加工現場の見学ツアー実施 木材産業などの就業者増加を図る【徳島】
JRT四国放送
建築などを学ぶ高校生が木材加工の現場を見て回る見学ツアーが11月25日、徳島市などで行われました。 現在、林業や木材産業の就業者は年々減っており、国の調査によりますと、徳島県内の林業従事者はここ35年間で約3分の1程度まで減少しています。 この状況を改善し、林業や木材産業の活性化を図ろうと、徳島県では様々な取り組みを行っています。 そのひとつとして11月25日、建築などを学んでいる徳島科学技術高校の生徒らに徳島県内の製材工場などを見学してもらうツアーを実施しました。 この日は、2年生26人が徳島市と小松島市の製材工場などを訪れ、作業を見学しました。 徳島市の工場では、2×4部材という住宅などに使用する製材を生産する過程を見学しました。 2×4部材は耐震性が高く頑丈なことが特徴で、生徒らは実際に製造過程を見るのは初めてということもあり、熱心に見入っていました。 見学ツアー中には、生徒からはこんな質問も。 (参加した生徒) 「1日で、どれくらいの木を製材できるんですか?」 (ダイリFPC 小濱孝彦代表) 「1日に110立方くらいの製品ができてくる。だから大型トラック3台分くらい」 生徒らは次に小松島市の工場を訪れ、合板を製作する過程を見学しました。 まずは杉の丸太をかつら剥きにし、大量の薄い板を作ります。 この板を乾かして成形し、強度を出すため繊維の方向が直角になるよう交互に板を7枚重ねます。 最後にこれを圧縮して完成です。 生徒らは完成した合板を実際に触ったり、匂いをかいだりしていました。 (参加した生徒) 「ふだん学校では目にすることのできない工場での見学は、とても貴重な体験となりました。来年の進路決定に活かしていきたい」 (参加した生徒) 「環境とかそういうのをきょう学んで、将来設計士になったらそういう配慮(住宅にどういった木材を使うか)も考えていかなければなと思いました」 徳島県では今後もこのような見学ツアーを実施し、林業や木材産業の就業者増加を図りたいとしています。