プロか漁師か...投手経験半年で150キロ到達の紋別高・池田悠真が悩める胸中を吐露
その北見支部予選では、池田が「自分より速い」と言う山内擁する北見柏陽高との対決が予想されている。 「全道(北北海道大会)に出られて、そこで納得のいくピッチングができて初めて、プロを目指せるんじゃないですか」 なにも、そうとばかり決めつけなくてもよいだろうが、意志の強さが伝わってくる。 「はい、自分、いろいろ考えたり、迷ったりはするんですけど、いったん『これだ!』と決めたら、そこに全力を尽くす性格なんで」 揺れるだけ揺れて、考えるだけ考えて、時間をかけて心を決めたらいい。時間をかけて自分で決めた「結論」ならば、次のステージでもし何かに突き当たることがあっても、きっと、「よいしょ!」と粘り腰を効かせて踏みとどまれる。 沖縄と並んで、高校野球の「夏」が最初にスタートした北海道。学校のある高台から、はるかオホーツク海を眺めれば、茫々たる大海の向こうは北方領土。そんな土地にも、まだまったく手探りの未来を賭けて、最後の闘いに挑もうとする快男児がいる。
安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko