秋の“月見商戦”にも影響か… たまごの価格高騰続く 秋冬のさらに値上げの可能性も
日テレNEWS
飲食店を悩ませるたまごの価格高騰。秋の“月見商戦”にも影響が出ています。マクドナルドなどは定番の月見バーガーを販売していますが、たまごを使わない“月見バーガー”を販売する店も現れています。さらに今後、秋から冬にかけて値上がりする可能性もあるということです。 ◇ 12日、都内のスーパー「たつみチェーン 豊洲店」では、毎週火曜日に行われているたまごの特売が実施されていました。10個入りは税込みで278円。普段より10円近く安いのですが―― お客さん 「高いですね。去年の今頃とかと比べたらだいぶ上がっていますね」 お客さん 「仕方がない。今はもうこれが普通なんだなと思って買うようにしています」 最近のたまごの価格については―― お客さん 「すごく上がってきた時期よりは落ち着いてきているなと」 店の担当者は、一時期よりはたまごの価格が下がってきたといいますが―― たつみチェーン・豊洲店 村松義康店長 「きょうは5ケース頼んだんですけど、2ケースしか来てないです。急きょ、市場まで行って」 特売のため、急きょ、たまごを調達。発注したとおりの数が来ないことも多いといいます。 ◇ たまご不足の影響が続く中、日本マクドナルドは6日から3種類の月見バーガーの販売を開始しました。(月見バーガー:420円~ チーズ月見:450円~ 七味香る牛すき月見:520円~ ※一部の店舗およびデリバリーでの価格は異なります) モスバーガーでも13日から、フォカッチャにソーセージなどを挟んだ“月見商品”の販売が始まります。(月見フォカッチャ:580円) どれもたまごを使った定番の“月見”ですが、たまごを使わない“ツキミバーガー”で勝負するところもありました。「バーガーキング」が先週から販売しているのが、月見の部分がたまごではなく、パイナップルを使用したパインツキミバーガーです。(チポトレ・パインツキミバーガー:540円 テリヤキ・パインツキミバーガー540円) 他の店とは完全に差別化を図った個性的なメニューです。気になるそのお味は―― 記者 「スパイシーなソースと甘みのあるパイナップルのバランスがとてもよく、お肉とよく合います」 商品を注文した人は―― ツキミバーガーを注文した人 「月見といえばたまごというイメージがあるけど、他と差別化ではないけど、いいんじゃないかなと」 ツキミバーガーを注文した人 「パイナップルが入った料理、酢豚とかあるじゃないですか。あれとかみたいな感じでおいしいかなと」 ◇ “たまご”の価格高騰の影響は、ラーメン店にも及んでいました。 「麺匠いしかわや」の、しょう油ベースのスープに生のタマネギやチャーシューがのった中華そば。(八王子中華そば:800円 味玉は+200円)ラーメンの価格を変えないために、今年の2月からたまごの代わりにお麩を使っていましたが、今もたまごに戻せていないといいます。たまごは有料で、トッピングという形で提供しています。 麺匠いしかわや 坂村拓哉店長 「たまごが欲しいというお客様が多いので、以前と同じように(たまごを)つけてあげたいなと」 さらにこのたまご、味を均一にするため大きさも同じものを仕入れていますが、仕入れ値がさらに高騰するといいます。 麺匠いしかわや 坂村拓哉店長 「同じものを発注・指定すると人件費がかかるので、値が張ると思いますね」 たまごのないラーメンに利用客からは、たまごの復活を待ちわびる声も聞かれました。 お客さん 「そのうち戻ってきたらうれしいなと思いますけどね」 ――ラーメンも味玉つきがいい? お客さん 「欲をいえばそうですね」 ただ、今後の見通しはまだわからないということです。 ◇ たまごの値段の高止まりは一体、いつまで続くのでしょうか? 東京農業大学元教授 信岡誠治さん 「少し上がってくる傾向にはあります」 今後、秋から冬にかけてさらに上がるのではないかといいます。 東京農業大学元教授 信岡誠治さん 「現段階で一番のコスト要因はエサの価格ですね」 ニワトリのエサとなる飼料の価格などがあまり下がらないだけでなく、飲食店などでのたまご需要の高まりも影響する可能性があるということです。 東京農業大学元教授 信岡誠治さん 「月見バーガーとか、いろいろイベントに向けた販促活動を行うので、そうすると価格も少し上がってくる」