「師弟愛強い兄さん」 桂ざこばさん死去 桂米団治さんがしのぶ
上方落語界の重鎮で、人情味あふれる高座と熱い人柄で愛された桂ざこば（かつら・ざこば、本名・関口弘＝せきぐち・ひろむ）さんが12日、ぜんそくのため亡くなった。76歳。ゆかりの人々が追悼の言葉を寄せた。 【写真で振り返る】熱い人柄で愛された落語家・桂ざこばさん ◇師匠・桂米朝の長男で弟弟子の桂米団治さんの話 ざこば（当時の朝丸）兄さんは私が幼稚園の時に入門され、本当によく遊んでもらいました。ボール投げ、缶蹴り、ザリガニ捕りなど、思い出はいっぱいあります。父は修業中の弟子を住み込ませていたので、私は長男でありながら、家には常に「お兄ちゃん」がいました。なかでも、ざこば兄さんは師弟愛が強く、「俺こそ、ちゃあちゃん（米朝の愛称）の一番の子どもや」という思いがおありになったようです。 私が噺家（はなしか）になってからも、おかしいと思われた時は容赦なくしかってくださいました。何事にも一生懸命に振る舞われたお兄さん！ お兄さんの落語に登場する人物は、どの人も「情」にあふれています。まだまだ追いつけませんが、お兄さんの教えを受け継いでまいります。本当にありがとうございました。合掌。
