『となりのナースエイド』ラスト30秒でどんでん返し 川栄李奈と高杉真宙がハマり役に
川栄李奈が主演を務める連続ドラマ『となりのナースエイド』(日本テレビ系)は、普通の医療ドラマではないことが発表当初から明らかになっていた。 【写真】病院にいる大河(高杉真宙)と澪(川栄李奈) それは川栄と共演の高杉真宙が写る横で、すりガラスの後ろに“誰か”がいるドラマのポスタービジュアルをはじめに、事前に公式サイトで公開された脚本のオークラと監督の内田秀実の対談インタビュー(※)での「コメディとサスペンスが共存する世界観」という内田の発言、さらに第1話でのCM前のアイキャッチでも「1話ラストに、想定外の裏がある――」と、これでもかというほどに視聴者へと予告されていた。 そのどんでん返しがやってくるのは、ラスト30秒。天才外科医の竜崎大河(高杉真宙)が、ナースエイドという身分にもかかわらず患者の急変を察知し、2度も命を救った桜庭澪(川栄李奈)に「お前は何者だ……?」と聞くと、桜庭から返ってきたのは「私は、人殺しです」という衝撃の発言だった。 それは第1話冒頭にインサートされる澪の回想がそのまま“人殺し”と直結している。雨降りしきる夜に謎の女性(成海璃子)が倒れており、泣き叫ぶ澪の手のひらには真っ赤な血が。その現場を遠くから男性(上杉柊平)が見ているという短いシーンだ。澪と大河が住んでいる星嶺医大の寮の外には、その男性の姿が。澪の部屋にある指輪が、女性がつけていたネックレスの指輪であったり、澪がそもそも血が苦手だったりと、気になる部分はたくさんあるが、まだまだベールに包まれているポイントは多い。 ポスタービジュアルに写る“誰か”が、人殺しの澪なのか、さらなる新キャストなのかはまだ定かではない。ただ言えることは、川栄も高杉も本作がハマり役ということ。同僚の小野夏芽(吉住)や第2話に登場する患者の高梨萌(恒松祐里)から「前向きバカ」と呼ばれるほどに、澪はとにかく全力投球で患者に寄り添う医療オタクのナースエイド。診療の補助はしてはいけないナースエイドが、医者にアドバイスをするなど言語道断。しかし、彼女の洞察力と豊富な医療知識が患者の命を救い、大河も一目置く人物となっていく。誤解を恐れずに言えば、澪は川栄本人のイメージと限りなく近いキャラクターでありながら、その裏の人殺し要素が“前向きバカ”だけでは終わらない川栄のさらなる芝居を期待させてくれている。なお、本作は川栄にとって第2子出産後の俳優復帰作。3月には映画『変な家』と舞台『千と千尋の神隠し』、6月に映画『ディア・ファミリー』の公開が控えている状態だ。 高杉が演じるのは、天才医師の大河。澪とは反対の、患者の気持ちを考えない見た目はクールな俺様キャラ。高級タワマンでクラシックを聴いているような王子様タイプだと夏芽はプライベートを想像していたが、実際は澪と同じ星嶺寮で新しい学校のリーダーズを聴いている意外な一面を持ち合わせていた。早乙女寛治(梶原善)の手術シーンからも分かるように、根っこには患者の命を救いたいという熱い思いを持っており、それは朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)の刈谷(高杉真宙)とも少なからず通ずる部分がある。 患者に寄り添うというナースエイドとしての医療ドラマとしての面白さが軸にありながら、ストーリーの随所に表れているのはさまざまなメタ発言。『白い巨塔』(フジテレビ系)を筆頭とする医療ドラマの象徴とも言える総回診に澪が興奮したり、大河とのラブコメ展開に澪自身がナレーションを入れたり、TVerでの配信を宣伝する澪に大河がツッコミを入れたりと、そういったコメディ要素も本作の大きな魅力となっていくはずだ。 参照 ※ https://www.ntv.co.jp/tonarino-nurseaid/articles/3901so725wbt0mot99wr.html
渡辺彰浩