『デカローグ』フィナーレを飾るプログラム D・E上演へ 映画界からコメントも到着
舞台『デカローグ7~10(プログラムD&E 交互上演)』が、6月22日(土) より東京・新国立劇場 小劇場にて幕を開ける。 【全ての画像】『デカローグ [プログラムD・E]』出演者写真 『デカローグ1~10』は~『トリコロール』3部作、『ふたりのベロニカ』で知られるポーランドの映画監督クシシュトフ・キェシロフスキが発表した作品で、旧約聖書の十戒をモチーフに1980年代のポーランド、ワルシャワのとある団地に住む人々を描いた10篇の連作集。本公演はこの10篇すべてを舞台化、4カ月にわたり上演するという一大プロジェクトとなっている。 フィナーレを飾る『デカローグ7~10(プログラムD&E 交互上演)』では、上村聡史が7話「ある告白に関する物語」、8話「ある過去に関する物語」の演出を担当し、小川絵梨子が9話「ある孤独に関する物語」、10話「ある希望に関する物語」の演出を担当する。 各話、十戒の戒律に対応しており、7話は「盗んではならない」、8話は「隣人に関して偽証してはならない」、9話は「隣人の妻を欲してはならない」、10話は「隣人の財産を欲してはならない」をモチーフとしている。 併せて、映画『ある男』『蜜蜂と遠雷』『愚行録』など国内外で高い評価を得ている映画監督の石川慶、映画『アナログ』『正欲』『ゴールド・ボーイ』など、数々の話題作の脚本を手掛けた港岳彦から絶賛のコメントが寄せらた。 ■石川慶(映画監督) すごいものを見た。 あんなに何度も見ている作品なのに、すべての話に新しい発見があった。 余分な枝葉が削ぎ落とされて、映像以上にテーマが可視化されている。 ああ、これが演劇の力なのだ、と。 舞台上にごろっと提示されたそのテーマは、今日本で生きる僕らの生き方そのものを問うているように感じた。 ■港岳彦(脚本家) キェシロフスキの『デカローグ』は啓示だった。巨大団地に暮らす名もなき人々の暮らしを凝視することで、神や愛や欲望、罪や法や社会、つまり世界を語ることができるのだと教えてくれた。 今、あの10篇の物語が、洗練を極めるミニマムな舞台芸術にみごと転生したことに感動している。 原作が駆使した暗喩や象徴を明瞭に絵解きして再構築した舞台装置の妙。原作が海外の作品であることを忘れさせる演者たちの真実味。 この物語群は劇場から世界へと、確かに広がっている <公演情報> 『デカローグ7~10(プログラムD&E 交互上演)』 原作:クシシュトフ・キェシロフスキ/クシシュトフ・ピェシェヴィチ 翻訳:久山宏一 上演台本:須貝英 演出:小川絵梨子 上村聡史 【プログラム D】 デカローグ7「ある告白に関する物語」 演出:上村聡史 出演:吉田美月喜 章平 津田真澄 大滝寛 田中穂先 堀元宗一朗 笹野美由紀 伊海実紗 安田世理・三井絢月(交互出演) 亀田佳明 デカローグ8「ある過去に関する物語」 演出:上村聡史 出演:高田聖子 岡本玲 大滝寛 田中穂先 章平 堀元宗一朗 笹野美由紀 伊海実紗 亀田佳明 【プログラム E】 デカローグ9「ある孤独に関する物語」 演出:小川絵梨子 出演:伊達暁 万里紗 宮崎秋人 笠井日向 鈴木将一朗 松本亮 石母田史朗 亀田佳明 デカローグ10「ある希望に関する物語」 演出:小川絵梨子 出演:竪山隼太 石母田史朗 鈴木将一朗 松本亮 伊達暁 宮崎秋人 笠井日向 万里紗 亀田佳明 2024年6月22日(土)~7月15日(月・祝) 会場:東京・新国立劇場 小劇場 ※開場は開演の30分前です。