年金「十分だと思う金額」20万円未満は12.5%のみ。「少ない」と感じる人も多い【独自調査】
50歳代以上の84.1%が「年金の見込額が少ない」と感じる
同アンケートで「ねんきん定期便などをチェックしたことがある」と回答した方に、「年金が少ないと感じたか」を聞いた問では、84.1%が「はい」と回答しました。 ・はい:84.1% ・いいえ:15.9% 8割以上の方が「年金が少ない」と感じたようです。 先述のとおり、50歳以上の方がねんきん定期便で確認できる金額は、今後の働き方もある程度加味されたものとなります。 にも拘わらず、多くの方は少なく感じるという結果になりました。 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021年度末時点での平均受給月額は、国民年金が5万6368円、厚生年金が14万3965円(国民年金を含む)です。 国民年金には大きな個人差がないものの、厚生年金は1万円未満から30万円以上までばらつきがあります。 平均通りの年金が受け取れない方も多く、年金での老後生活に不安を抱えてしまう方も多いようです。
老後は年金がいくらあると安心なのか
続いて、「年金は月額いくらあれば十分だと感じますか?」という問に対し、「20~24万円」(31.8%)と答える方が一番多い結果になりました。 ・15万円未満:2.3% ・15~19万円:10.2% ・20~24万円:31.8% ・25~30万円:29.5% ・30万円以上:26.1% 20万円以上未満の方は12.5%のみで、残りはそれ以上必要だと感じています。 ただし、厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際に年金を月額20万円以上受給できている方は15.46%のみです。 男女でも差があり、男性は22.49%、女性では1.22%しかいません。 夫婦世帯であれば合算した金額が収入となりますが、それでも「理想とする年金」と「実際に受け取れる年金」にはギャップがあるといえます。
みんなが「老後に向けて実際にしている準備」とは
老後に向けて、「年金だけでは生活が不安」と感じている方は多いでしょう。 2019年にはいわゆる「老後2000万円問題」が話題となり、年金以外に2000万円もの大金を準備しないといけない、という焦りがより大きくなりました。 実際には「2000万円」という金額にこだわる必要はなく、それぞれの家庭環境や仕事の有無、年金額等によりシミュレーションすることが大事です。 では、実際にどのような老後対策が行われているのでしょうか。 先程のアンケートにて自由記述の回答を募ったところ、大きく分けて「資産形成」「支出削減」「相続対策」「健康づくり」の声が挙がりました。 ●老後に向けた資産形成 ・年金保険 ・貯金 ・投資 ・住宅ローンの完済 ・国民年金、厚生年金の他に毎月3万円程の年金型の保険に加入している ・Ideco・つみたてNISAで資産運用 ・娘夫婦が住んでいる近くのマンションを探している ・高配当株への農耕的投資 ・株式投資 ・投資信託、株 ・つみたてNISA、高配当株 ・資産運用 ・確定拠出型個人年金 つみたてNISA 財形貯蓄 財形年金貯蓄 ・定期預金、外貨預金、株式 ・株式投資、ソーシャルレンディング、暗号資産、不動産投資 ・個人年金、ポイ活、ポイント投資 ・毎月1万円の積立。もっと積立額を増やしたいが今は給料が少ないので増やせない。 ●老後に向けて支出の削減や収支の把握 ・生活水準を徐々に落としている ・毎年の資金収支と不足額の見通し ・生活費の見直し。固定費のスマホ代は、通信品質との兼ね合いで、極力少額になるキャリア、プランになるようにしている。保険は、死亡保険、医療保険はなるべく少ない保険料で契約するようにしている ・家計支出のやり繰り ・節約、預金残高を減らさない。 ●老後に向けて相続対策 ・相続で暦年贈与に代わるもう一つの個人年金として配当継承 ・子らへの暦年贈与 ●老後に向けて健康づくり ・健康維持に努めている ・体力づくり ・心身ともに健康でいられるように気を配る ※すべて原文ママ この他、「何歳まで働くか、どのように働くかの考察」「既に老後だが現役で働いており、貯蓄もしています」という声もありました。 何歳まで働くのかも含めて、老後に向けたライフプランを考える必要があるといえるでしょう。 一方で、「特に何も行っていない」という声も少なからずありました。 十分な年金や資産があれば、老後対策は不要というケースもあります。ただし、物価高が続く中で「老後資金が足りない」と気づくのはリスクが高いものです。