70代の貯蓄額割合のなかで最多はまさかの「0円」!どうやって生活しているの?
「老後の30年間で約2000万円の資金が不足する」という試算結果が公表されたことを、ご存じの方もいらっしゃるでしょう。 また、年金制度の実情や近年の物価高を背景に、老後に備えて貯蓄を殖やしたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。そのようななか、70代では「貯蓄のない方の割合が最も多い」という調査結果があります。 この記事では、70代の貯蓄額分布と、なぜ70代で貯蓄のない方が多いのかについて解説します。
70代の貯蓄額の割合
金融広報中央委員会「知るぽると」で公表されている「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」の「金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」によれば、70代の方の貯蓄額分布図は、表1の通りです。 表1
※金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」を基に筆者作成 金融資産とは、現金や預貯金、株式、投資信託などを指します。 表1によれば、金融資産非保有の割合が28.3%と、最も多いことが分かります。つまり、表1の結果によると、70代では貯蓄がない方が最も多いということになります。
なぜ70代で貯蓄がない方が多いのか
公益財団法人 生命保険文化センターの「生活保障に関する調査/2022(令和4)年度」によれば、老後資金の取り崩しを始める平均年齢は、66.8歳という結果が出ています。 老後資金の取り崩しを行い、貯蓄が減ることで金融資産非保有という現状につながっている可能性があるのです。老後資金には、食費、光熱費、住居費といった生活に最低限必要なものから、冠婚葬祭、趣味・娯楽といった費用もあります。 貯蓄がなくなってしまう原因としては、老後資金として貯蓄していた額よりも支出が上回る生活スタイルであること、さらには収入が少なく貯蓄ができていないことが考えられます。家計を振り返り、使いすぎている項目はないかを確認してみましょう。