謎に満ちた幻のロレックス、「コマンドー」を見かけたら即買うべき
多くの謎に包まれた、特別な手巻きモデル
公式の資料やデータが少ないヴィンテージロレックスには、謎に満ちたモデルが数多く存在する。そんななかでも飛び抜けてレアなモデルが、「コマンドーRef.6429」だ。 【アイテム詳細写真】ロレックス「コマンドー Ref.6429」 製造は1960年代後半だと言われており、米軍のPX(アメリカ軍隊内の売店のこと)で極めて少数のみ販売された。また、1970年代初頭にアメリカの大手アパレルメーカー、アバクロンビー&フィッチで販売されていたという記録もある。 こうした謎めいた出自も「コマンドー Ref.6429」の魅力だが、そのシンプルなデザインにも定評がある。 「コマンドー Ref.6429」は、6時位置に「COMMANDO」の表記が入るタイプと入らないタイプの2種類がある。愛好家の間で大変人気がある一方で、極端に製造本数が少ないうえに偽物も数多く出回っているため、このように本物が2本揃うことはまずない。 「エクスプローラー」と酷似したダイヤルの3、6、9のアラビアンインデックスとバトンハンドの組み合わせは、まさに唯一無二。12時位置にプリントされた王冠マークも味わい深い。 自動巻きではなく、「手巻きムーブメントCal.1225」を採用していることも特徴で、ローターがないことからその分だけケースの厚みも薄くなっている。 滅多にお目にかかれないマボロシ級のモデルゆえ、もし幸運にも出合ったら迷わず購入することをオススメしたい。 ロレックス「コマンドー Ref.6429」(1969年製造) 手巻き(Cal.1225)、SSケース、径34mm。参考商品
TEXT=戸叶庸之