秋吉台のカルスト地形が育む湧水たたえた「別府弁天池」…名水で養殖したニジマス発信へ「ますバーガー」
商品化まで3年かけた自信作のバーガーは、バジルが原料のソースに漬けて一晩寝かせるなど、ニジマスの持ち味を引き立たせる味付けにこだわった。開発に携わった協議会副会長の篠原由美子さん(69)は「秋吉台がもたらす多様な恵みを一度に堪能できる。ぜひ一度味わってほしい」と胸を張る。現在は冬季休業中で、秋吉台の山焼き(2月)に合わせて販売を再開する。
そもそも池は水神を祭る厳島神社の境内に位置する。大昔、開拓者が水に困って祈願したところ、こんこんと水が噴き出すようになったとの伝説が残り、地元では「1杯飲むと1年長生きする『長寿の名水』」と呼ばれる。
住民は毎年9月、感謝の念を込めて「別府念仏踊」(県無形文化財)を神社にささげる。宮司の田村繁晴さん(76)は「太古の昔から絶えず湧く池の水は、地域に繁栄をもたらす源泉そのもの。蛇口をひねれば当然のように出る水の大切さを、弁天池を通じて見つめ直してほしい」と話す。(小林隼)