年金の「受給前」に母が急逝…これまで払ってきた分はどうなるの??
年金を受け取る前に本人が亡くなるケースもゼロではありません。もし本人が亡くなった場合、遺族は遺族年金や死亡一時金を受け取れる可能性があります。 ただし、遺族年金や死亡一時金の受給には既定の条件を満たしたうえで、請求書の提出が必要です。請求書を提出しないとどちらも受け取れないため、忘れないように手続きを行いましょう。 今回は、年金を受け取る前に本人が亡くなった場合に遺族が受け取れるお金や手続きなどについてご紹介します。
年金を支給される前に亡くなるとどうなる?
年金を支給される前に亡くなると、遺族は年金を受け取れるケースがあります。本人が亡くなった際に遺族が受け取れる可能性のある年金や給付金は、以下3種類です。 ・遺族基礎年金 ・遺族厚生年金 ・死亡一時金 ■遺族基礎年金 遺族基礎年金は、国民年金に加入中もしくは加入していた方が亡くなった際に受け取れる遺族年金です。日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に、亡くなった方(以下本人とします)の保険状態の条件をご紹介します。 ・国民年金の被保険者である間に死亡したとき ・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していたが死亡したとき ・老齢基礎年金の受給権者であった型が死亡したとき ・老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき もし本人がこれらの条件を満たしていた場合は、子どものいる配偶者もしくは子どもが遺族基礎年金を受給可能です。子どものいる配偶者が受け取る場合、昭和31年4月1日以前生まれかどうかで金額が変動します。 ・昭和31年4月2日以後生まれ:79万5000円と子の加算額 ・昭和31年4月1日以前生まれ:79万2600円と子の加算額 また、子どもの金額は1人目、2人目、3人目以降で以下のように変動します。 ・79万5000円+2人目以降の子の加算額を子の人数で割った金額 ・1人目および2人目の子の加算額:各22万8700円 ・3人目以降の子の加算額:各7万6200円 ■遺族厚生年金 次に、日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に、遺族厚生年金を受け取れる方の条件をご紹介します。 ・厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき ・厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき ・1級・2級の障害厚生(共済)年金受け取っている方が死亡したとき ・老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき ・老齢厚生年金の受給条件を満たした方が死亡したとき また、遺族基礎年金よりも受け取れる対象遺族の範囲は広がります。受け取れる優先順位は以下の通りです。 1子どものいる配偶者 2子ども 3子どものいない配偶者 4両親 5孫 6祖父母 受け取れる金額は、本人の老齢厚生年金における報酬比例部分の4分の3にあたる金額です。ただし、受け取る遺族が配偶者かつ老齢厚生年金や退職共済年金の受給権を有する方の場合は、以下のうち高い金額が適用されます。 ・亡くなった本人の老齢厚生年金における報酬比例部分の4分の3の金額 ・亡くなった本人の老齢厚生年金における報酬比例部分の額の2分の1の額と遺族年金を受給する方の老齢厚生年金か退職共済年金における金額の2分の1の合計 なお、遺族年金における子どもとは18歳になった年度の3月31日まで、もしくは20歳未満で障害年金における障害等級1級か2級の状態にある方を指します。 ■死亡一時金 日本年金機構「死亡一時金」によると、死亡一時金とは、「死亡日の前日において第1号被保険者として保険料を納めた月数が36月以上ある方が、老齢基礎年金や障害基礎年金を受けないまま亡くなった場合に遺族へ支給される給付金」とされています。死亡一時金は本人と生計を同じくしていた方かつ以下の優先順位で受け取れます。 1配偶者 2子ども 3両親 4孫 5祖父母 6兄弟姉妹 なお、支給される金額は、本人が保険料を納付していた月数に応じて12万円から32万円の間で変動します。 なお、遺族基礎年金を受け取れる場合は、死亡一時金は受け取れません。さらに、死亡一時金は受け取る権利が発生してから2年以上経過すると時効が成立し、受け取れなくなるため注意しましょう。