中央産業拠点が完成 福島県大熊町 復興加速へ企業集積
福島県大熊町が町内下野上の特定復興再生拠点区域(復興拠点)に整備を進めていた産業団地「大熊中央産業拠点」と、産業拠点につながるアクセス道路が完成した。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向け、新産業を育む企業集積の場となる。31日、現地で記念式典が行われた。 産業拠点は、敷地面積約9ヘクタールに12区画を設けた。既に情報通信業「ピクセルハイ合同会社」、農業関連会社「コネクトアラウンド」の2社の進出が決まり、立地協定を結んでいる。 町内は復興拠点の避難指示解除などが進み、居住者が徐々に増える一方、働く場が少ないのが現状だ。町は今後も産業拠点への進出企業を募り、雇用の確保を目指す。現在、数社から問い合わせを受けているという。 アクセス道路は産業拠点と近くの幹線道路をつなぐ。延長約940メートル。隣接地には町営の福島再生賃貸住宅を新設中で、住民らの利便性向上が期待される。
式典には町や工事を委託発注した都市再生機構(UR都市機構)、施工業者の清水・青木あすなろ建設工事共同企業体(JV)などから約130人が出席した。吉田淳町長が「産業の中心の場として、町の復興をけん引することを期待している」とあいさつした。関係者がテープカットし、完成を祝った。