2017年度東京都予算案 都債発行残高は5兆6000億円
一人当たりの都債残高は20年前より約2割減の41万円
この都債残高5兆5981億円という額を都民一人当たりに換算すると、41万円になります。これは20年前の1997年度都民一人当たり換算50万円から、約2割減らしたことになります。ちなみに同じ97年度の一人当たりの地方債残高は88万円でしたが、新年度は約1.8倍の154万円に、国債残高は20年前の204万円から、約3.3倍の682万円まで増えています(イメージ2)。 都は、65歳以上の老年人口が2015年の301万人から、今後25年間で93万人増の394万人になり、その割合は人口の約23%から約29%に上昇すると予想。社会保障関係経費は今後23年間で累計約9.5兆円増加すると見込んでいます。また現在、都の公共建築物の約7割は築20年以上、橋梁は築30年以上がおよそ7割を占め、老朽化への対応が重要課題になっています。こうした社会資本ストックの維持更新に関わる経費増加額の累計は、今後23年間で約3.2兆円と試算。加えて、現段階では増え続けている東京の人口も、団塊世代がすべて75歳を超える2025年をピークに減少に転じると予測しています。 都債は、これら社会資本ストックを形成・更新する財源として、世代間の負担を均衡にするという機能を持つ反面、将来確実に支払わなければならない負債です。都は、国や他の地方に比べ、都債に頼らない財政運営に取り組んできましたが、予想される社会保障費や社会資本ストック需要の更新・維持の増額に対応するため、今後ますます中長期的な視点を盛り込んだ予算編成が必要とされそうです。