【高校野球】智弁和歌山、打線爆発で決勝進出 OBの楽天・黒川に憧れる9番・山田希翔が4安打3打点
◆春季近畿大会 ▽準決勝 智弁和歌山12―0須磨翔風(1日・明石トーカロ) 春季近畿大会準決勝の第2試合は、智弁和歌山が須磨翔風(兵庫2位)に完封勝ちし、決勝進出を決めた。両者無得点で迎えた3回2死三塁、5番・松嶋祥斗一塁手(3年)の中前打で先制すると、その後のイニングでも小刻みに加点。9番・山田希翔(まれと)遊撃手(2年)の2本の長打を含む4安打3打点の活躍もあり、12得点で大勝した。 「ライナーを打つ意識を徹底し、単打狙いで打席に入った」。勝利の立役者となった9番打者は、興奮気味に振り返った。結果的には二塁打、三塁打を放ち「(走塁では)1つでも先の塁を目指そう」と、高い走塁意識で打席前の狙いを超えてみせた。阪神や巨人などでプレーした中谷仁監督(45)は、「(捕手目線で見て)9番に打たれるのは相手にとっても嫌ですよね。頼もしい」と捕手出身監督として最大級の称賛をした。 浜風スターズに所属する小6の頃、チームで夏の甲子園のバックネット裏ドリームシートに招かれ、星稜対智弁和歌山を観戦。「プレーだけでなく人間性や雰囲気が素晴らしい」と当時の主将・黒川史陽(現楽天内野手)率いる智弁和歌山ナインに憧れ、進学を決めた。憧れのユニホームを身にまとった背番号6は「今でもたまにYouTubeでその試合の動画を見る」と、聖地で躍動する先輩の姿を力に変えている。昨年末、憧れの元主将とグラウンドで対面。「黒川さんを見て智弁和歌山に入った」と伝えると照れ笑いされ、「日本一とれよ」との激励を受けた。 2日の決勝は、22年以来2年ぶり4度目の優勝をかけて、京都国際と対戦。背番号6がまずはチームを近畿の頂点に導き、憧れの先輩と約束した「日本一」へのきっかけをつくる。
報知新聞社