中国競泳選手23人がドーピング陽性も処分なし、東京五輪直前 「検体汚染」との中国側調査を受け入れ
世界反ドーピング機構(WADA)は20日、中国の競泳選手23人が2021年の東京五輪前に禁止薬物の陽性反応を示していたと発表した。だがWADAは、検体汚染によるものだったとする中国側の調査結果を受け入れたという。 東京五輪開幕の数カ月前に中国の競泳選手らが、心臓の薬に含まれるトリメタジジンの陽性反応を示したと複数のメディアが報じた。WADAは声明で、中国の反ドーピング機関から選手らが気づかずに薬物に汚染された状態で「陽性反応を示したことを受け入れる」決定をしたと2021年6月に通知されたと明らかにした。 そのうえで「最終的に、汚染がトリメタジジンの起源である可能性を否定する立場にはないと結論付けた」とし、「選手たちに過失や怠慢は認められない」と説明した。また外部専門家の助言に基づき、中国の決定に対する上訴は正当ではないと判断された。 30人の競泳選手から成る中国は、東京五輪で3つの金メダルを含む6つのメダルを獲得した。 ワールドアクアティクス(世界水連)は、今回の件が「真摯に、専門的に」取り扱われたと確信しているとのコメントを発表した。 ドーピング検査で不合格となった選手は通常、1回目で2年から4年、2回目で永久追放となる。 中国選手の活躍が予想される今年のパリ五輪を前に、中国に対する監視の目が強まる可能性が出てきた。過去30年で複数の中国人競泳選手が、ドーピングに関与したとして追放処分を受けている。 ロイターは中国の反ドーピング機関と中国水泳協会にコメントを求めたが、直ちに回答は得られなかった。