福祉用具の事故情報を一元化 厚労省、利用者に注意促す
厚生労働省は電動車いすや介護ベッド、歩行器などの福祉用具が関係した事故情報を一元的に集約し、データベース化する方針を固めたことが29日、分かった。2024年度中に公開する。福祉用具ごとに分類し、どんな状況で事故が起きやすいかを提示する。用具を巡っては過去に死亡事故も起きており、一般の利用者だけでなく介護施設など福祉分野で働く職員らにも注意を促す。メーカーには安全性能を高めてもらいたい考えだ。 福祉用具は23年度に380万人以上の高齢者が利用し、今後も利用者は増加する見通し。事故情報はこれまで消費者庁や自治体、製品評価技術基盤機構(NITE)がそれぞれ収集してきた。分析して再発防止につなげるには、福祉分野を所管する厚労省が集約するのが有効との意見が上がっていた。厚労省は福祉用具の種類や発生場所ごとに整理し、使用状況を確認できるようにして注意点や対策を提示することも検討している。 NITEによると、電動車いすと介護ベッドが絡んだ事故は23年7月までの約10年間で計101件発生している。