角川大映スタジオに「バーチャルプロダクションスタジオ」オープン。ソニー製・約6K「Crystal LED VERONA」を導入
株式会社角川大映スタジオが、大型LEDディスプレイを導入したインカメラVFXをメインとするバーチャルプロダクションスタジオを3月下旬にオープン。新たな制作ソリューションとして提供する。 同社は2023年に期間限定で、ソニーPCLとの共同によるLEDウォール型のバーチャルプロダクションスタジオを開設していたが、今回、本格的に新サービスとして常設するに至った。 本スタジオは、“リアル美術とバーチャル美術の融合”をコンセプトのひとつに挙げており、スタジオ内のNo.Cステージに設置された幅15m×高さ5.0mの約6K解像度(6,480×2,160)の高画質LEDディスプレイ「Crystal LED VERONA」に背景を表示させることで、実際に背景として映し出された現場で撮影しているようなシーン撮影が可能となっている。 そのバーチャル背景に、実際に設営したリアル美術を組み合わせることで、よりハイクオリティな美術空間の中で撮影を提供できるようになった。また、VAD(Virtual Art Department)によるプリビジュアライゼーションなどの技術サービスも開始するという。 ほか、大型LEDディスプレイによるバーチャル空間を活用することで、従来の美術セットの廃棄量の約50%減を実現。気候変動への対策、温室効果ガス削減、省エネルギー化にも繋がるサステナブルな事業活動としても推進していくとのこと。 加えて「清澄白河BASE」を拠点とするソニーPCLと、国内初の「Unreal Service Partner」と「Unreal Authorized Training Center」として「Epic Games」認定を受けている株式会社スタジオブロスから、技術的支援、人的支援を受け、制作フローの最適化と効率化も図っている。 <スタジオスペック> 住所:東京都調布市多摩川6-1-1 角川大映スタジオ No.Cステージ 仕様:スタジオ面積550m2(167坪)、高さ8.0m、電気容量180kw(100V/200V併用) LED:ソニー製「Crystal LED VERONA」 サイズ:15.0W×5.0Hm キャビネット数:300(ピッチサイズ2.31mm) 解像度: 6,480×2,160/ROUND2.5° 設置:吊り下げ昇降式(可動域2,360mm) 出力システム:インカメラVFX/Unreal Engine 4.27/5.2対応 映像システム:ソニーPCL製「ZOET4」 プロセッサー:Brompton製「Tessera SX40」 トラッキングシステム:Mo-Sys製「StarTracker」
編集部:長濱行太朗