市原隼人「好きなものを好きと胸を張れる甘利田はすてきだと思います」主演映画「おいしい給食 Road to イカメシ」への思いを語る
主演映画「おいしい給食 Road to イカメシ」が、5月24日(金)に公開を控える市原隼人さん。劇場版3作目の舞台となる北海道・函館での撮影を振り返るとともに、作品や演じる甘利田への思いを語ってもらった。 【写真】市原隼人の撮り下ろしアザーカット
中学教師・甘利田が日々の給食を味わい尽くす「おいしい給食」。連ドラから好評を博し、劇場版は今作で3作目となる。 「僕自身、昔から食べることが好きだったんです。料理も好きですし、おいしいものを作るにはおいしいものを知らなきゃいけないと思い、食べ歩きもよくしています。このような作品に出会えたのも運命なのかもしれないなと。思い入れが強い分、今回もしっかり覚悟を持って臨ませていただきました」 給食に関する事だと我を忘れて没頭する甘利田。その姿に、人として憧れている部分もあると話す。 「今の時代、どこか我慢して自分を殺してしまっている気もするんです。でも甘利田はどんなに滑稽な姿を見せても、好きなものを好きと胸を張っていて、そのためなら目上の存在に対しても意見できる。こういう人でありたいと思わせてくれる人物です」 最大の見どころは給食のシーン。夢中になった甘利田はコミカルに跳ね回り、期待を裏切らぬその味に派手なガッツポーズで応える。 「給食のシーンは、とにかく甘利田の世界に埋没しています。撮影方法上、事前に動きを構築しておかないといけないので、まずはどういう“喜びの舞”にしようか考えて。今回の映画だったら、ソーラン節みたいな、北海道らしい動きを入れてみよう、とか。いやもう、本気で動き回ってます。あまりにも没頭しすぎて、意識が飛んだ瞬間もありました(笑)。スタッフキャスト全員で、この給食をどう撮ろうか、一丸となって取り組んでいます。いい画が撮れると、歓喜の声が上がって。よい仲間と面白い仕事していると充実感があります」 今作の舞台は冬の北海道・函館。撮影は極寒だったが、この地でしか撮れない映像だったと振り返る。 「今までは関東近郊で、真夏の摂氏40度以上の中で撮っていましたが、今回は真逆の世界。風も強く、口が思うように動きませんでした(笑)。函館は、刺身や海鮮、地域の野菜とどれもおいしく、出会う人たちもすてきな、日本の宝のような場所でした。今度はゆっくり、プライベートで訪れたいです」 函館での甘利田の目的の1つが、給食のイカメシを味わうこと。その一方で、町長選に給食を利用しようとする等々力(石黒賢)との対決も見どころに。 「今までにない大人同士の掛け合いが繰り広げられ、今作に欠かせない人物になっています。ただ、等々力さんも悪人ではなく、彼なりの正義がある。どんな人でも表裏一体なんだなと思わせてくれるし、見終わった後は気持ちよく余韻に浸っていただける思います。食とは、というテーマが核にはありますが、とにかく笑える、面白い作品になっているのは間違いないので、まずは心の底から楽しんでいただきたいです」 <PROFILE> 市原隼人 ●いちはら・はやと…1987年2月6日生まれ。神奈川県出身。A型。近作に『正直不動産2』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、台湾ドラマ『商魂 TRADE WAR』、舞台『中村仲蔵 歌舞伎王国下剋上異聞』など。写真家としても活動中。 ●photo/田中和子(CAPS)text/小山智久 hair&make/大森裕行(ヴァニテ)styling/小野和美
小山智久