【仰天】中国のチベット投資促進策、「40万ドル投資すれば子供に大学入学枠を特別プレゼント!」
(譚 璐美:作家) 米国の中国語ネット「博訊」(2024年3月23日付)が転載したフランス国際放送テヴェサンクモンド(TV5MONDE)の報道によれば、中国政府は国内向けのチベット投資促進策として、「チベットに40万ドル(約6000万円)投資すれば、子弟の大学受験の『特別合格枠』をあげる」という新たな政策を発表した。 【写真】2023年7月、青海省西寧とチベット自治区首府ラサを結ぶ青蔵鉄道(青海チベット鉄道)の西寧-ゴルムド区間で中・高速鉄道車両「復興号」の営業運行が始まった ■ 中国国内で最高の経済成長率を誇るチベット 中国政府は2000年、チベット、新疆、内モンゴルなど、経済発展から取り残された内陸部の西部地区を経済発展させるため、「西部大開発」計画を決定した。スローガンは、「西電東送」、「南水北調」、「西気東輸」、「青蔵鉄道」の四大プロジェクト、つまり、電力開発、ダム建設、天然ガスパイプライン敷設、鉄道建設の4つの建設計画である。 これを主体として、外資企業へ向けて広く投資を呼びかけた。そして3年間は所得税率を15%に削減し、輸出企業には税率10%とするなど、数々の税制優遇策を打ち出した。3000万米ドル以内の投資なら迅速かつ単独で許可するとも規定した。 さらに2020年の「第13次5カ年計画(2016~2020年)」では、チベット自治区に総額3136億元(約6兆5700億円)を投じて、電力や鉄道、空港などの重点プロジェクトを建設した。
その結果、2023年末のチベット自治区のGDP成長率は9.8%に達し、中国31省の中でトップになり、中国政府は「絶対的貧困の歴史的解消が実現した」と誇らしげに宣言した。 ■ 滞りがちな投資 だが、どうも現実はそれほど明るい様子ではない。チベット自治区の国民総所得(GNI)は沿岸部の広東省の2%に過ぎず、依然として投資が進んでいないのが現状だ。 また外資企業は及び腰である。中国への直接投資は2023年7~9月に、118億ドル(約1兆7887億円)のマイナスとなり、データがある1998年以降で最低だ。 しかも新たな投資より撤退や事業縮小の動きが上回っている。「反スパイ法」の拡大や香港の「国家安全基本法」の強化など、政治的リスクが高まる中国に不安を覚える外資企業は多く、中国の不動産不況による財政悪化と経済低迷で、国内投資家の意欲にも陰りがみえる。