ハース小松代表、サウジでのブロック戦略への批判は”でたらめ”と一蹴。一方、角田に順位を返さなかったのはミスと認める
ハースは、F1第2戦サウジアラビアGPでケビン・マグヌッセンが後続を抑え込み、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグの10位入賞をサポートした。同チームの小松礼雄代表は、この戦略に対する批判を一蹴した。 【F1ハイライト】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 サウジアラビアGPでは、マグヌッセンがコース外から角田裕毅(RB)をオーバーテイク。これでペナルティを受けたが、そのままペースを落とし後続のマシンを抑え込むことでチームメイトのためにギャップを作った。 レース後、RBはハースの作戦をスポーツマンシップに反すると評し、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは角田をパスしたマグヌッセンをズルいと語るなど、ライバルたちはハースの戦い方に思うところがあったようだ。 小松代表は、マグヌッセンがコース外から角田を抜いたことを認識しておらず、もし気づいていたらポジションを返すよう求めていただろうと強調した。 motorsport.comがこの件について質問すると、小松代表は「批判は受け入れます」と答えた。 「ケビンがコースオフして角田を抜いたということをチームとして知りませんでした。あの時は知らなかったんです」 「チームとしてすぐに気づくべきだったし、ケビンは自分でポジションを返すべきでした。でも彼がそうしなかったのなら、チームとしてケビンにすぐにポジションを返すように指示すべきでした」 「我々がそうしていれば、議論の余地はなかったでしょう。ですが我々にはペースがあったので、どのみち角田をオーバーテイクしていたはずです」 マグヌッセンのオーバーテイクの仕方に対する批判は受け入れた小松代表だが、その後マグヌッセンがペースダウンしたことについては、問題ないと考えている。 「あの時点ですでに、(アルボンとの接触でマグヌッセンが)10秒加算のペナルティを受けていました。だからその時点で、ケビンはポイント争いから脱落していたんです」 「それが、彼がニコにポイントを獲らせるためにみんなを抑え込んだ理由です」 「ギャップを作るという意味では、それがスタンダードです。もしそうしなければ、自分の仕事をしていないことになります」 「我々が何をすべきかは明らかでした。我々にとってニコしかチャンスがなかったんです。だからどのチームでも同じことをしたでしょう。もし誰かが、『いやいや、それはスポーツマンシップに反する』と言うなら、それは全くのでたらめです」 マグヌッセンが角田にポジションを返すべきだったという点について、ハースは今後、ファクトリーでより多くのスタッフがマシンのオンボード映像を追跡したり、ライバルの無線を聞いたりすることになるという。 これにより、もしハースのドライバーが不当なアドバンテージを得た場合、チームはドライバーに順位を返すよう指示する機会を増やすことができる。 「もし同じようなことが起きたら、すぐに発見できるようにするために(対策を)チーム内で講じています」 「状況を監視するのが我々の仕事ですが、それができませんでした。チームの人数が少なすぎるし、リソースも限られています」 「他のチームのように、ミッション・コントロールと呼ばれるようなものがあるわけではありません。そういうものがあって、大勢ですべてを監視し、全員の会話を聞いているようなチームとは違うんです」 「我々にはそれができません。でも今は少なくとも、ドライバーのオンボードを常にフォローするために2、3人を配置し、ドライバーが誰と戦おうとも、無線が聞けるようにしています」 「角田の話を聞くと、ケビンが道を外れたと言っていました。だから、もし我々がオンボードを見てそれをやっていたのなら、角田がコメントしたように、我々はすぐに気づくべきでした」 「ポジションを戻すには非常に小さな余地しかありません。でも、議論の余地はないんです」 レース当日のファクトリーの役割について、小松代表は次のように語った。 「(ファクトリーには)我々をサポートしてくれる人がいます。彼らは戦略やタイヤのデグラデーションなどの面で、我々をサポートしてくれています」 「他の大きなチームも、みんなの無線を聞いて文字起こししたり、いろんなことをしていると思います」 「我々にそんなことをするキャパシティはありません。でも失敗から学ばなければならない。我々があれにすぐ気づかなかったという事実はミスです。同じ過ちは繰り返せません」
Adam Cooper