「豊洲市場」開場したら約98億円の赤字 市場問題PTで都が試算結果報告
豊洲市場の経済性などを検証する東京都の市場問題プロジェクトチーム(PT)の5回目の会合が25日に開かれ、豊洲市場が開場した場合の収支試算結果を都が報告した。 【中継録画】豊洲の市場問題PTが第5回会合 地下水調査公表以降で初
それによると、豊洲市場の年間収益は約68億円なのに対し、減価償却費や人件費、維持管理費などを合わせた費用は約166億円。約98億円の赤字となることが明らかになった。 都は現在、築地や食肉、大田など11市場を一体で運営しているが、11市場全体でみた収支の試算も公表。築地が豊洲に移転して2018年度に開場した場合、減価償却費を除けばプラスマイナスゼロ付近で推移するとした。 小島敏郎座長(青山学院大学教授)は「各市場で使うお金が、豊洲市場の赤字でどんどん消えていく構造ではないか」と疑問を呈し、委員からも「(豊洲市場の)食の安心・安全が確保されない事態などが生じた場合、経営が厳しくなるのは想像に難くない」(ながさき地域政策研究所・菊森淳文所長)などの指摘が出た。 会合終了後、小島座長は、専門家会議が地下水の追加調査で議論が遅れていることを踏まえ、4月にこれまでの会合で浮かび上がった課題をあらためて議論したいとの考えを示した。 (取材・文:具志堅浩二)