ウーブン・シティ今秋始動 静岡県内の参画企業や住民 「連携」「地域活性」に大きな期待
トヨタ自動車が裾野市で建設を進めている実証都市「ウーブン・シティ」が今秋にも始動することが7日、明らかになったのを受け、新たに参画を発表した三島市の増進会ホールディングス(HD)や立地する裾野市、地域住民はシティ内で生まれた技術による業種を超えた連携や、地域の活性化に期待を寄せた。 増進会HDはグループ会社が保育施設を運営する知見を生かし、シティ内に情報通信技術(ICT)やデジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れた教育施設「Z会インベンティブスクール」を開校すると明らかにした。未就学児向けには自己教育力を養う「モンテッソーリ教育」を軸にした保育・教育施設を今秋に開園。2026年度中に小学生を対象にした学童保育施設の開設を目指す。担当者は「独創的な知性と感性を持つ人材を育成したい。業種を超えて研究を進め、教育分野での新たなサービス創造に取り組む」と語る。 岩波地区では、住民有志が23年に地域活性化団体を設立し、オープンを待ちわびてきた。田中正延区長(75)は「今後、世界中から人々が集まると思う。市と企業、住民一体で地域を盛り上げていくことが大切」と活性化の好機と捉える。岩波商店会の小林裕治会長(49)は「すごいものができたなという感想。一緒に何かやりたい」と地域との連携を思い描く。 同市も最寄り駅のJR御殿場線岩波駅周辺の整備に取り組む。工事が進む歩行者用の接続道路は、自動運転の次世代型モビリティーも視野に入れ、広い道幅を確保する。利用者増に備えて駅前広場も広げ、共に26年中の完成を予定する。市戦略推進課の土屋雅敬課長は「実証実験で生まれた新しい技術と市が連携し、市民生活向上につなげていけたらうれしい」と話した。
静岡新聞社