解体予定建物で初の救出訓練 小松で南加賀3消防本部
●震災教訓に技術磨く 南加賀地区3消防本部の倒壊家屋救出訓練は17日、小松市下粟津町の旧市営住宅で、初めて解体予定の建物を使って行われた。地震で崩壊した住宅に3人が閉じ込められた事態を想定し、救助隊員が壁やドアにチェーンソーなどで実際に穴を空けて突入するなど、能登半島地震を教訓に救助技術を磨いた。 小松、能美、加賀消防本部の救助隊ら30人が、地震による災害時の救助活動の流れを確認した。通報者に話を聞き、さらなる建物の倒壊を防ぐため外壁を鉄パイプで支えた。壁やドアに穴を空けた後、建物内から助けを求める声が聞こえないか隊員が30秒間、耳を澄ませる訓練も行った。 余震の発生を想定し「倒壊家屋監視センサー」を使った訓練も盛り込まれ、センサーから倒壊の危険性を察知する音が鳴ると、隊員が屋外へ避難した。 指揮隊長を務めた小松市消防本部中消防署の中川透副署長は「救助や安全管理の方法を互いに共有できた。国や市と連携し、各救助隊が協力して最善の救助ができるようにしていきたい」と話した。