光と影の代表生活 バドミントン桃田会見 「体力、精神的に限界」 五輪メダルの夢次世代へ
「自分に憧れて競技を始めた子どもたちもいる。少しずつ福島に恩返ししたい」。県内から世界の舞台へ羽ばたく若者の姿を思い描く。 ■「後進育成に携わって」県内期待の声 県内の関係者からは、今後の活動に期待する声が上がった。 高校時代の指導者大堀均さん(55)=日本バドミントン協会ジュニアナショナルチームヘッドコーチ・トナミ運輸ヘッドコーチ=は「やり切った充実感があるのではないか。これからも競技の普及発展、福島の復興に力を存分に発揮してほしい」と願った。富岡一中時代の恩師の斎藤亘さん(52)=ふたば未来学園中バドミントン部顧問=は「逆境から立ち上がる姿は記憶にも記録にも残る」と話した。 富岡高時代の桃田が寮生活を送った猪苗代町の宿泊施設「あるぱいんロッジ」の元オーナー平山真さん(75)は「今後は大好きなバドミントンの魅力を子どもたちに伝えてほしい」と語った。 双葉のオリンピック選手を支援する会の会長で元富岡高校長の青木淑子さん(76)は「震災後の困難な時期をひたすら夢に向かって進んでいる姿に、町民全てが支えられた」とコメントした。県バドミントン協会長の渡辺正光さん(67)は、果敢に勝負し、ネット際で勝ち切る桃田のプレーに魅力を感じてきた。「経験を生かし後進の育成にも携わってほしい」と願った。
【桃田賢斗の主な歩み】 2012(平成24)年11月 世界ジュニア選手権で日本人初優勝 2013年3月~4月 富岡高卒、NTT東日本入社 2015年8月 世界選手権で日本人初の銅メダル獲得 2015年12月 全日本総合選手権で初優勝 2016年4月 違法賭博問題発覚で無期限出場停止処分に。リオ五輪の推薦、派遣が見送られる 2017年5月 無期限出場停止処分が解除 2018年8月 世界選手権で日本男子初優勝 2018年9月 日本男子初の世界ランキング1位を獲得。3年以上、首位を維持 2019年3月 全英オープン優勝 2019年8月 世界選手権2連覇 2019年12月 ワールドツアーファイナル優勝。主要国際大会年間11勝でギネス世界記録に認定 2020(令和2)年1月 マレーシアで交通事故に遭い、全身打撲などの重傷 2020年2月
右目眼窩底骨折が判明し、手術 2020年3月 競技活動復帰 2021年7月 東京五輪に出場。1次リーグ敗退 2023年12月 全日本総合選手権で2年連続6度目の優勝