台湾、立法院改革案への「中国関与」は「フェイク」 第2野党民衆党委員団トップ
「国家の利益は政党の利益よりも上位にある。われわれの主張を支持するのならば誰とでも協力する。住宅価格の高騰問題や腐敗防止を巡る改革などでは民進党とぜひ協力したい。国民党との協力も議題による」
■民主と法治の維持変わらず
--あなたはかつて「ヒマワリ学生運動」に参加し、(台湾独立派の)政党「時代力量」の主席も務めた。現在も中国に対する態度に変化はないのか
「(台湾民衆党主席の)柯文哲氏と交わした覚書には、台湾を正常な国家とすることを共同の目標とし、その主権と尊厳、民主と法治を維持する原則が盛り込まれている。私のこうした立場は変わっていない」
「民進党は抗中保台(中国に対抗し台湾を守る)というフレーズを利用して、自らの腐敗と権力の乱用を覆い隠そうとしている。それが、私が民進党とたもとを分かった理由だ」
■民進党は約束をほご
--ヒマワリ学生運動について、現在どう評価しているか。立法院改革に反対する街頭デモ「青い鳥運動」を「ヒマワリ学生運動2・0」と呼ぶ声もある
「ヒマワリ学生運動は非常に重要な意義のある運動だった。残念なのは(当時野党だった)民進党が運動を利用して政治的利益を得ながら、政権が中国と行う交渉を監視する『両岸協議監督条例』の制定という約束をほごにしたことだ」
「ヒマワリ学生運動と今回の運動は本質が全く異なる。ヒマワリ運動では、野党の民進党が(与党の国民党を)監督する力が足りなかったので、学生や公民が自主的に前面に出た。今回は執政党の民進党が、民衆を動員して改革に抵抗している」(聞き手 西見由章)
◇黄国昌(こう こくしょう)
台湾大卒、米コーネル大法学院で博士号取得。2014年、中国とのサービス貿易協定に反対し立法院を占拠したヒマワリ学生運動に参加。15年、同運動の参加者らで結成した政党「時代力量」の初代主席に就任。23年11月、時代力量を離党し、台湾民衆党に加入した。