そばを食べるのが趣味です。老後は月2回くらい出掛けたいのですが、これって高望みでしょうか?
<図表1> この統計値によると、年金などの収入(社会保障給付)が22万418円、その他の収入と合わせた合計が24万6237円となっています。 これに対し支出額は、税・社会保険料(非消費支出)が収入の約13%に相当する3万1812円、消費支出が23万6696円となっており、毎月の不足額は2万2270円となっています。この毎月の不足額は、預貯金などの金融資産で補うことになります。 またこの統計によれば、教養・娯楽費は2万1365円となっています。「月2回そばを食べに行く」という夢の経費は、これ以下であれば統計上は実現可能な夢といえます。しかしながら、実際の老後の家計の収支は一人ひとり違いますので、自身の老後の家計の収支見積もりから、夢の実現の可否を判断してください。 ●4.老後の資産を見積もる 老後の家計の赤字額を補うためには、老後生活に入る時点までに、預貯金などの金融資産を準備しなければなりません。したがって、老後の収支の見積もりができたならば、次は老後生活に入る時点における金融資産の見込額を見積もる必要があります。毎月の積立額や退職金の額から、金融資産の見込額を見積もりましょう。 なお、総務省の統計資料「家計調査報告(貯蓄・負債編)2022年(令和4年)平均結果」によると、二人以上の高齢世帯の純貯蓄額(貯蓄額から負債を差し引いた額)は、60~69歳の平均で2251万円、70歳以上で2321万円となっています(※6)。
夢を実現するための対策
夢の経費と老後の家計収支の見積もりから、思い描いている夢の実現が経済的に可能であることが確認できればよいのですが、もし夢を実現するための資金が月額数万円不足するようであれば、早い時期から月額数万円の積み立てを始めるなり、年金生活後もその同じ額を得られるように働くなどの対策を考えましょう。 ●1.金融資産を積み立てる 夢を実現するための資金に不足が生じることを、早い時点で認識したのであれば、目標額を定めて資金を積み立てましょう。積み立てる方法としては、個人型確定拠出年金(※7)や新NISA(※8)を利用して、投資信託などに毎月定額で投資をすることをお勧めします。 ●2.働いて収入を得る 年金収入だけでは夢を実現するための資金が不足するのであれば、年金収入に加え、不足する額を補えるだけの収入を得られる働き方を考えましょう。夢を実現する資金を得るために働くのであれば、老後に働くことも苦にはならないのではないでしょうか。