「あなたが助ければ?」貯金ゼロ、年金は"施設費"で消える義実家…生活保護担当者の捨て台詞に長男嫁の胸の内
■80歳目前で離婚された父親 一方、古道さんの父親は2022年、80歳目前で再婚相手から離婚を突きつけられた。相手は古道さんが20歳の時に不倫が発覚し、両親の離婚の原因になった女性だ。 「相手の女性は3人の子どもがいて、父は私たちが知らない間に、その子どもたちと養子縁組していました。つまり、会ったこともないその子どもたちと私たちは、きょうだいになっていたということです。父は、相手の女性と離婚をすればその子どもたちとも縁が切れると思っていたようですが、不安に思った私が市役所に確認すると、子どもたちとは個別に養子離縁の手続きが必要だと言われました」 ここ10年あまり、義両親の介護やお金、不用品処分などで負担を強いられてきた古道さんは、父親の身辺もきれいにしておいてもらいたいと思い、調べてみて正解だった。 「父の離婚理由は知りませんが、私が想像するに、おおかた相手の女性が、父の女癖の悪さやお金の使い方に嫌気がさしていて、子どもも独り立ちし、お金も貯まったので出ていったのだと思います。父は面倒見が良すぎるところがあり、自分で築き上げた会社は、自分の息子に継ぐ気がないと知った途端、甥にあげてしまうし、ろくに知りもしない女性が困っていたからと、借用書もなしにお金を貸してしまうようなところがありましたから……」 古道さんは父親に、 「養子縁組を解消しないと、お父さんが亡くなった後、お父さんの貯金や家を処分するときに、私が養子の子どもたちに印鑑をもらいにいかなければいけないし、遺産を分けなければならなくなるんだよ」 と説明すると、父親は「元妻やその子どもたちには、1円たりとも渡したくない!」と言い、弁護士に依頼して離縁手続きを進めることに。幸いにも子どもたちは、快く離縁に応じてくれた。 ■「倒れて死ぬ」プラン 古道さんの父親には、高血圧と糖尿病の持病があった。 70歳からひと月に一度通院はしており、主治医に「血管の詰まりが首と脳にある」と言われていた。そのため父親は、 「血管の詰まりが爆発したら終わりや。『倒れて死ぬ』から、俺が倒れても助けるなよ」 と古道さんたち子どもや友人たちに言い聞かせていた。 大阪の実家までは、車でも電車でも4時間ほどかかる。そのため古道さんは月に一度様子を見に行くのが精一杯で、普段はLINEなどで連絡を取り合っていた。 だが2023年10月、父親の友人から突然「お父さんが動けなくなっている」という連絡を受けた。