【柏】細谷真大、待望の今季リーグ初得点「待たせ過ぎちゃった…」遅れてきたエースが上位目指す
<明治安田J1:柏2-1湘南>◇第14節◇15日◇三協F柏 パリ五輪(オリンピック)のエース候補、柏のU-23日本代表FW細谷真大(22)にようやくの今季リーグ初得点が生まれた。1点を追うホーム湘南戦の後半に同点弾をアシストし、追加タイムには右足で2-1とする決勝点。開幕から12試合ノーゴールと苦しんだが、チームを22年8月の京都戦以来、約1年9カ月ぶり逆転勝利に導いた。町田はホームでC大阪に2-1で劇的に勝ち、4戦負けなしで2位をキープした。U-23代表FW藤尾翔太(23)も古巣相手の1カ月ぶり先発で貢献した。 ◇ ◇ ◇ チームもサポーターも待ちわびた、エースの一撃だった。1-1で迎えた後半追加タイム。細谷はMF島村からのパスを腹でトラップすると、素早く、右足を振り抜いた。より価値の高い決勝弾。ゴール裏に走って、サポーターにもみくちゃにされた。鳴り止まない「マオ」コール。開幕から13戦目(出場9戦目)の1発に「待たせ過ぎちゃったので。勝ててうれしいし、逆転も意味があると思っている」と笑みをこぼした。 前半は2度の決定機を外した。44分のヘディングシュートはバーにはじかれたが「ボールが集まっている感触はあったし、チャンスはあると思っていた」。0-1の後半32分に、まずアシスト。シュートも打てたが、点の確率が高いFW木下へのパスを選んだ。ストライカーのエゴを抑えてお膳立てに徹し、最後に訪れたチャンスをものにした。 開幕の京都戦ではPKを外した。そこから長いトンネルに入り、無得点のままU-23アジア杯へ。序盤は引きずったが、準々決勝と準決勝の勝負どころで得点し、パリの切符獲得に大きく貢献した。勢いそのままに、チームを22年8月の京都戦以来となる逆転勝利に導いた。価値ある1発だった。 12試合無得点だった期間については「しんどいですね…FWとしてはやっぱり」と本音を漏らしたが、その上で「必ず今後につながるし、つなげないといけない。これからは量産していきたいし、FWが点を取って勝たせたいと思っている」。吹っ切れたエースが、ゴール量産体制に入る準備は整った。【岩田千代巳】